コラム

犬や猫の去勢・避妊手術

この記事は2016年6月7日の記事を再編集しました。

犬や猫の去勢・避妊手術は、近年ペットの健康管理の一環として推奨がされています。

どんなに気をつけて生活をしていたとしても、病気というのは突然やってきます。もし、病気にかかるリスクを少しでも減らすことができるならば、検討してみたいと思いませんか?

しかし、手術の時期が生後半年頃とまだ成長途中な時期な上に、健康な体に手術をすることに抵抗を感じる飼い主さんも少なくないと思います。また、動物病院によっては手術の時期や有無に関しての方向性が異なることもあり、飼い主さんとしては判断に迷うところです。

犬や猫の去勢・避妊手術

去勢・避妊手術はなぜ必要なのか

オス犬の去勢手術は、多くの動物病院で推奨されている上に、自治体によっては手術費用の助成制度を設け、推奨しているところもあります。

しかし、健康な体の状態で手術をする以上は、飼い主さんもその必要性や効果について十分理解をしておきたいと考えるのも当然です。

オス犬の去勢手術を早期に行う理由は以下です。

  • オスとしての精神的な成長を抑制し、他犬との余計な闘争を避ける
  • マーキングなどの縄張り意識の芽生えを抑制する
  • オス同士の喧嘩、威嚇行為を抑制する
  • 発情中のメス犬とのトラブルを回避する

縄張り意識が強くなってくる

生後半年というと、まだまだ子犬の時期で縄張り意識や力の上下関係という意識もほぼありません。しかし、成長をし2歳、3歳くらいになると、同じ年代のオス同士で縄張り意識が強くなり、縄張り内で遭遇をすると一触即発の事態を招きかねません。
一見おとなしく挨拶を交わしていたように見えても、途端に激しい喧嘩が勃発することも未去勢のオス犬同士では珍しいことではないのです。

オス犬同士の喧嘩は、飼い主でも仲裁が難しい上に、無理に一方を抑え込むとかえって大ケガをする危険性もあるので注意が必要です。

発情によるトラブルを回避

オス犬には定期的に起こる発情期というものがありません。オス犬の発情というのは、発情中のメスの臭いを感知することで起こります。
メス犬と直接触れ合いを持たなくても、メス犬の排泄後の臭いを嗅いだり、メス犬が使用していたタオルなどを通じても感知します。

一旦発情が起こったオス犬は、それまでとは思いもよらないほどに強い力でリードを引っ張り、メス犬へ向かってしまいます。
この時、望まない交配が起こってしまわないように去勢手術を済ませておくということも飼い主としての保険です。

メス犬の飼い主の中には、自身の犬の発情に気が付いてないことも多く、ドッグランやトリミングへ連れてきてしまうこともあります。

この場合、加害者となるのはオス犬ですから、余計なトラブル回避のためにも去勢手術を済ませておくことが望ましいと言えるのです。

猫は特に注意!

近年、野良犬よりも野良猫を見かけることが多いかと思います。
完全室内飼いでない場合、去勢・避妊手術をしていない猫が家の外へ出たことによって、ある日突然赤ちゃんが生まれてしまったということもあります。逆も然り、外でメス猫を妊娠させてしまうこともあります。

自宅で子猫が誕生してしまった時、里親探しをし、里子へ出すことができれば良いですが、面倒を見ることができず、最終的に保健所へ引き取られるケースが多く、社会的にも問題となっています。同じように、外でメス猫が妊娠した場合には野良猫が増えるということになり、こちらも最終的には保健所に引き取られるということもあるのです。

飼い主さんが責任を持って去勢・避妊手術をしておくことで、こういった不幸な動物を増やすことを確実に回避することができます。

病気の予防

オスだけが去勢手術をするわけではありません。メスも避妊手術をすることが大切です。
オスもメスも去勢・避妊手術をすることでメリットになるのが病気の予防です。
たとえば、オスは前立腺肥大症や会陰ヘルニア、メスは子宮蓄膿症や乳腺腫瘍といった再発の可能性が高く、深刻な病気を避けることができます。

去勢・避妊手術が望ましくない場合

「繁殖」や「ドッグショーへの参加」などを予定している場合は、去勢・避妊手術をすることは望ましくありません。

たとえば、ドッグショーでは去勢済であることが、犬本来の形質を維持していないと評価され、減点対象となるのです。また、高得点を取得しても、その後の交配に使うことができないとなると、それまでの費用の回収が難しく、ドッグショーへ参加した意義が不明瞭になります。

適切な去勢・避妊手術の時期

ペットショップで購入した方によっては、ショップ側から動物病院の受診を勧められたという方も多いと思います。フィラリア対策や、法律で定められている狂犬病の予防接種などのためにも、早い時期にかかりつけ動物病院を決めておくことが大切です。

そして、初めて動物病院を受診した際に、必ずと言って良いほど質問されるのが「去勢・避妊手術」についてです。

犬も猫も、医学的に去勢・避妊手術をするのに適切な時期というのが明確にあるわけではありません。一部では、若くて元気な6歳程度までに行うのが良いという意見もありますが、動物病院では飼い主さんの事情に合わせることが多いです。

オス犬を例に挙げますと、一般的には生後半年頃が去勢手術をする時期とされています。この時期は、小型犬の場合は身体的な成長が止まっている頃で、大型犬の場合にはこの頃から次第に行動が活発となり、他犬との関りも増える時期です。

マーキングをするようになる前に手術をしよう

身体的な成長が止まることで、次第に精神的な成長が進み、縄張り意識も芽生え始めます。この頃から、散歩で見かける他犬の様子を見本にマーキングをするようになります。

しかし、室内でマーキングをされると、特有の強い臭いが充満し大変不快なものです。
マーキングを避けるためにも早い段階、生後半年頃に去勢手術をするのが良いでしょう。
また、室内ではマーキングをさせたくないという場合は、愛犬が足を上げようとした瞬間に厳しい口調、短い言葉で叱ることが効果的です。

ただし、去勢手術後でも縄張り意識や、力の誇示意識が強い場合には、マーキング行為を行うことがあるので、手術と併せてしつけもきちんと行うことが大切です。

ペット保険への加入を考えるなら

ペット保険への加入を考えている場合は、早い段階で去勢・避妊手術をしておくことで、お得になるケースがあります。

これは去勢・避妊手術をすることで病気になるリスクが低くなると考えられているため、数パーセントではありますが、保険料が安くなるプランもあります。

去勢・避妊手術をすることですべての病気を防ぐことはできませんが、生殖器に関わる病気を予防することができます。去勢・避妊手術をし、若いうちにペット保険へ加入することで保険料が割安となり、経済的負担を軽減することができます。

去勢手術方法

去勢手術は、全身麻酔をし患部を切断するだけで済む簡単な手術です。麻酔時間を含めなければ、15分ほどで完了します。

手術当日は、麻酔時間を含めて病院滞在時間が決まるので、数時間~半日ほど所用時間を見込んでおく必要があります。

手術後の抜糸は、一週間程経過した後に患部の確認と共に行います。
手術をして、睾丸を取り除くと陰嚢部分が小さく収縮します。そのため、抜糸をしないこともありますし、中にはそのまま自然消滅する糸を使用し、手術をするケースもあります。

去勢手術の費用

去勢手術かかる費用は、2~5万円程です。
基本的には日帰り手術となり、患部の化膿止めの飲み薬が数日分処方される程度です。

手術にかかる費用は、自治体が助成金を支給している場合もあるので、事前に最寄の自治体や動物病院へ確認することをおすすめします。
※自治体によっては助成金の予算の関係上、手術を先送りし、次年度の申請を勧められることもあります。

去勢・避妊手術はペット保険の対象外

近年動物の医療技術も進化しており、ペットが病気になった際の治療費が高額になることもあります。こうした際に経済的な負担を抑えることができるのが、ペット保険です。ペット保険に加入していることで、高度な治療も安心して受けることができます。

しかし、一般的にペット保険は「病気」や「ケガ」への補償を対象としています。そのため、「手術」とはいえ、病気治療に関係のない去勢・避妊手術はペット保険の対象外となり、補償を受けることができないため、費用は全額自己負担として支払わなければなりません。

先述の通り、手術にかかる費用は2~5万円程です。しかし、去勢・避妊手術をしなかったことで病気になり、通院や入院、手術をするとなると週1回の治療でも数万円以上になることも当たり前のようです。

このような不安を取り除くためにも、去勢・避妊手術をし、病気のリスクを予め減らし、ペット保険で備えることで安心した生活をすることができるのではないでしょうか。

後々、保険対象となることも?

睾丸は本来生後1~2ヵ月で体内から体外へ移動します。しかし、中にはこの移動がスムーズに進まず、体内に睾丸が停留してしまうことがあります。
この場合、生涯何の不調も起こらないこともあれば、腫瘍化してしまうこともあります。

停留睾丸の処置という形であれば、病気扱いとなり保険の適用対象となる場合もあるので、各保険会社、動物病院へ確認するようにしましょう。

去勢後、猫の耳カット

街中や公園で見かける猫の片方の耳の先端が小さくカットされているのを見たことはありませんか?
猫の耳カットの取り組みは、「去勢済」であるという印つけ行為です。

地域によっては、野良猫の過剰繁殖がおき、様々な問題が起こっています。未去勢、未避妊の猫が増えるとますますこの問題が深刻化するので、ボランティア団体や地域住民が協力して、猫を一旦捕獲し、動物病院で手術を受けさせ、その後再度解放しています。

この時、手術済であることが一目で分かるように、耳の先端をカットしているのです。つまり、飼い主のいない猫は一代限りとし、その後の繁殖を抑制するという取り組みです。

この手術にかかる費用は、ボランティア団体や地域住民の寄付や自治体の助成金で賄われています。

去勢・避妊手術後、性格は変わる?

去勢・避妊手術をすると、「性格が穏やかになる」「おとなしくなる」「喧嘩をしなくなる」「無駄吠え、威嚇吠えをしなくなる」と言われています。

この表現はある意味正解で、ある意味誤解とも言えます。

まず、「おとなしい」の基準が飼い主それぞれで異なる上に、同じ犬種でもそれぞれに性格が異なります。また、しつけの程度によってもその性質は大きく左右されます。

去勢手術が推奨されている時期は、生後半年頃です。しかし、しつけは生後1.5ヵ月~生後半年頃までに基本的なことを終えておく必要があります。そのため、将来手術をするからと過信して、しつけを怠ってしまうと、何かと手を焼く結果を招きます。

たとえば、オス犬が手術後におとなしくなるという意味は、オス犬同士の優劣関係における判断、犬同士の縄張り争いにおける評価です。そのため、日常生活においては、さほど大きな変化を感じることはないでしょう。

ペットをおとなしく、コントロールしやすい性格に育てるには、家庭へ迎え入れたその日から、きちんとしたしつけを行うことが必須です。
まだ小さいからと甘やかしすぎてしまわないように、守るべきルールをしっかりと教え、無用なトラブルを回避しましょう。

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加