コラム

猫の食事、正しい知識で長寿を目指そう

この記事は2016年7月13日の記事を再編集しました。

ペットが罹る病気は食事由来のものが多いと言われており、飼い主さんが食事管理をきちんと行うことで病気に罹りにくくなり、長生きできるようになると言われています。

室内飼育の猫の平均寿命は昔と比べると大幅に伸びており、15~20歳を超えることもあるようです。

昔は人が食べていたものの残りを与えても問題ないと考えられていた時代がありますが、現在は人が食べているものだと、猫に必要な栄養素が摂取できないだけでなく、猫の健康を損ねたり、時には命に係わったりすることがあることも分かっています。

では、どのような食事が猫にとって良いのでしょうか?
今回は、猫の食事の正しい知識と病気の関係性についてのお話です。

猫の食事、正しい知識で長寿を目指そう

猫本来の習性

野生の猫は、狩りをすることで自分よりも小さい動物や昆虫などを食べて生きています。そのため、日に何度も狩りと食事を繰り返す習性を持っています。自分で食べる量を調整しながら狩りを続けるのです。

猫にフードを与えたときに少し残してしまい、それを回収しないままでいたらしばらくしてまた食べだしたという経験はないでしょうか?
健康な猫がそういった行動をしたならば、それはその習性に則った行動をしているに他なりません。

猫は本来、自身で食事量を調整できる能力を持っているのです。

しかし、ペットとして生まれた子猫や、野生の経験が乏しい猫の中には食事量が調整できずに、与えられる分の餌を全て食べてしまう子もいます。

また、食事量を調整できるからといって、1日の量を一度に与えることは衛生面から見てもおすすめできません。特に夏場は、たとえカリカリと呼ばれるドライフードであったとしても、雑菌が繁殖する恐れがあるからです。

適切な食事のタイミングと回数は?

では、何回に分けて食事を与えるのが良いのでしょうか?

適切な食事回数

成猫

成猫の場合、実はそれほど細かく食事時間を分ける必要はなく、1日2回でOKとされています。これは獣医師も推奨しています。
※1歳を超えると立派な成猫ですので、子猫用のキャットフードは卒業し、成猫用のキャットフードに切り替えます。

食事の時間帯は厳密に決められていませんが、人の食事と同じタイミングにすることで、家族の食事を欲しがるようなことがなくなります。人のご飯を食べたがって困るという方は試してみてください。

幼猫、老猫

幼猫や老猫は、一度に食べられる量が少なかったり、栄養の吸収が悪かったりする関係で、1日2回の食事では足りないこともあります。特に生後半年未満の幼猫は、身体が発達途中なので1回の食事で食べれる量が多くありません。

そのため、食事回数は1日3~4回、幼猫の場合には4~6回必要となる時期もあります。

幼猫・子猫には、子猫用のキャットフードを選ぶようにしましょう。生後半年ほどすると、体型が成猫と同じようになるので、食事回数を1日2回へ変えていきましょう。

また、病気などの関係で個別に対応しなければならない場合もありますので、食事の回数、食事の量は、必要に応じて獣医師へ相談することをおすすめします。

食事を与えるタイミング

健康な成猫の場合は、1日2回、決めた時間に食事を与えるようにしましょう。
目安としては、朝は6時~8時、夜は18時~20時です。(食事の間隔は12時間前後)

帰宅が遅くなる場合、やむを得ず1日1回の食事しかあげることができないということもあると思います。こういった場合は、置き餌をしても猫は基本的に分割して食べるので、あまり気にしなくても大丈夫です。

1回の食事量の目安

成猫の場合、体重が1kgに対して、70~80kcalほどが目安となります。目安のカロリーに差があるのは、人間と同じようにどの程度の運動量のある猫かによって目安が変わるためです。

たとえば、元気で1日走り回っているような猫や。外にもお散歩に出掛けるような行動範囲の広い猫であれば、体重1kgに対して、約80kcal、室内飼育で大人しい猫であれば70kcalを掛け算した分を与えてあげると丁度良い計算になります。
※市販のペットフードを与えている場合には、外箱や袋などに目安が記載されているので、それを参考にするのがおすすめです。

しかし、中には栄養吸収の良い猫、吸収が悪い猫がいます。そのため、同じ量を与えてもスレンダー気味、肥満気味になってしまうこともあるのです。

この場合、フード以外の原因も考えられるので、獣医師と相談の上、フードの量なども調節することをおすすめします。

猫が食べてはいけない食品

「市販のフードだけでなく、手作りフードもあげたい」「人間が食べているものを欲しがるけど、少しなら与えても良い?」などと考えることもあるでしょう。人間にとっては問題のない食べ物でも、猫にとっては致命的な毒になる食べ物も和夫ック存在しています。

猫に与えると危険な食べ物

玉ねぎ・長ネギなどのネギ類、カカオの入った製品(チョコレートやココアなど)、アワビ・サザエなどの貝類、すずらん・水仙・ヒヤシンス・チューリップなどの植物、カフェインの入った製品、アルコール飲料、アボカド、胡椒・唐辛子などの香辛料・・・など

上記は、特に危険な食べ物です。食べることによって様々な機能障害や病気、量によっては死亡することもあります。

中でも「ネギ類」は、猫の貧血を招き、最悪の場合死に至ることもあるので与えるのは厳禁です。スープに入っていたり、小さく刻まれた状態であっても毒性は消えませんので注意が必要です。

人の食べ残しの放置、庭や室内にある植物、知らずに与えた人の食べ物の中に上記の食材が入っていた等、与えるつもりがなくても食べさせてしまうこともあるので、十分注意してください。

与えてはいけない食べ物

全ての猫に危険!!とならずとも、与えてはいけない食べ物は他にもあります。

たとえば、猫の体質によっては危険となるものの代表が「牛乳」です。牛乳にはラクトース(乳糖)が含まれていますが、これを分解する酵素を「持っている猫」と「持っていない猫」がいます。
分解する酵素を持っていない猫に牛乳を飲ませた場合、ひどい下痢症状が出てしまいます。

また、人間用に味付けがされている食事は、猫にとっては塩分が多すぎることがほとんどです。食いつきが良いからと与えてしまうと、塩分摂取過多による障害や病気などに発展することもあります。

同様に、糖分の多いお菓子なども猫にとっては良くありません。肥満の原因にもなるので注意が必要です。

その他、生の豚肉や鶏肉などにはトキソプラズマ(Toxoplasma gondii)という寄生虫がいることがあり、これに感染した猫から人に感染する危険もあります。肉を与えたい場合には、必ず火を通すようにしましょう。

好物でも与えすぎには注意!

猫が好きな食べ物と言えば、鰹節・チーズ・焼き魚・刺身・煮干し・鶏肉・豚肉・牛肉などがありますね。無塩の煮干しや茹でただけの味のないササミ、柔らかく漉した芋や豆類は猫が食べても問題ありせんが、与え方を間違えたり、たくさん与えてしまうのは猫の身体には良くありません。

少量与える分には良いものでも、栄養価が高かったり、ミネラル分が多かったりするものは、逆に健康不良を招く恐れがあります。

また、焼き魚や鶏肉は骨のあるまま与えると、小骨や砕けて鋭利になった骨などが喉に刺さる原因になり危険です。与える際には、必ず骨を取るようにしてください。

その他、猫はドライフードよりもウェットフードを好む傾向にありますが、ウェットフードは歯石がつきやすく、口内炎になる可能性も高くなります。特に歯磨きが苦手な猫の場合は注意が必要です。

食べ物で心配があるときには、キャットフードだけを与えるようにするのが良いでしょう。

餌を食べないときは病気を疑うべき?

猫は気まぐれとよく言われます。それは食事にも現れています。
今まで好んで食べていた餌を突然食べなくなったり、新しいフードへ変えた途端に種幕なったりすることがあります。

こういったとき、「病気では?」と疑ったり、逆に「また気まぐれが始まった」と軽く考えたりする飼い主さんもいることと思います。

実際はどうなのでしょうか?

猫はとてもキレイ好きです。フードボウルが少し汚れていたり、ゴミが入っていたり(自身の被毛等も含む)、多頭飼いなら、他の子が先に口をつけたから嫌いなったということもあるでしょう。

また、食事をしようとしたときに、大きな不快音がしたなど、ストレスになるような嫌なことがあった可能性もあります。

その時だけであれば良いですが、それらの経験がフード自体にも結び付いてしまい、次から食べなくなる、ということがあります。

本当に病気のこともある

猫の気まぐれが原因であれば、原因を取り除くことで丸く収めることもできますが、中には本当に病気で食欲がなくなっている可能性もあります。

特に、ガン・糖尿病・尿路結石・慢性腎不全等の腎臓病・膀胱炎など、猫がかかりやすく、早期発見が苦痛緩和や早期完治に繋がる病気も数多く存在します。

こういった場合には食欲減退だけでなく、普段よりも大人しい、寝ている時間が多い、変な鳴き声を出す、トイレの時におかしな声や態度をしている、体にしこりがあるなど、何かしら別のサインを出していることがあるので、動作などをよく観察した上で、獣医さんにも伝えるようにしましょう。

子猫の時から食事管理に意識

一般的に猫は美食家とも言われています。一度美味しい食事の味を覚えてしまうと、なかなか元のフードに戻ってくれません。中には、美味しいご飯が出てくるまで根気強くハンガーストライキをする猫もいます。

猫の身体にとって、丸1日以上の絶食はとても危険で、結果的に人間が根負けをして猫の好物ばかりを与えてしまうという悪循環に陥りがちです。

猫も人間と同じように、子どもの時に食べた物の味を大人になっても覚えています。そのため、子猫のときに人間と同じ食べ物を与えたり、栄養に偏りのある、味の濃いキャットフードばかりを与えてしまうと、大人になった時にヘルシーなキャットフードや療法食を食べてくれない身体になってしまいます。

子猫のうちは可愛いばかりに甘やかしてしまいがちですが、食事の管理はしっかりと行いましょう。また、子猫のうちにいろいろな種類のキャットフードを与えておくと、成猫になってからグルメになってしまうことがなく、満遍なく食べてくれるようになります。

キャットフードにはいろいろなメーカーや味の種類があるので、魚系と肉系など、ローテーションして与えるのが理想的です。

おわりに

人が食べられるものの中にも、猫にとっては危険な食べ物がたくさんあります。こうしたものを万が一食べてしまった時、また病気で食欲不振になってしまったと気付いたときは、すぐに対処することで命が救われることもあります。

普段から猫の行動や、その範囲に気をつけるだけでなく、スキンシップ時にしっかり観察することで、猫の食欲不振や病気を回避、または早期発見することができる飼い主さんでいたいものですね。

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加