コラム

猫は赤が認識できないって本当?意外に知らない猫の目の秘密

普段はあまり気にしないことですが、実は猫と私たちが見ている景色は、同じではありません。では、どのように見えているのでしょうか?そして、猫の目は人間とはどこが違うのでしょうか?

今回は、猫との接し方にも役立つ「猫の目の秘密」について、お話ししたいと思います。

猫は赤が認識できないって本当?意外に知らない猫の目の秘密

猫の見る景色とは?

視力

大きなビー玉のような、キラキラした目がかわいい猫ですが、実はあまり視力は良くありません。人間で換算すると0.3程の視力しかないと言われています。

色相判別

猫は赤い色が認識できません。つまり、暖色系の色をそのままの色合いで見ることもできないのです。そのため、以前は「猫の見る世界はモノクロ」と言われていました。しかし、近年では、緑・青・黄と各色が混ざり合った色(混合色)については、見えていると考えられています。

このように書くと、猫の目は人間よりも劣っているように思えてしまいますが、そんなことはなく、猫の生態に合わせた構造になっていると言ったほうが的確です。

視野

猫は視野が広く、「全体視野」は人間が210度なのに対して280度もあります。また、距離感などを掴むことのできる「立体視野」も、人間が120度なのに対して130度あります。

前を向いているはずなのに、後ろに座っている飼い主の行動に反応することがあるのも、実は見えていたからなのです。

動体視力

猫は、俊敏な動きに対しても、的確に捉えることが出来ます。これは、動いているものをスローもしくは止まって見ることのできる「時間分解能」が発達しているからです。

わかりやすく言えば、パラパラ漫画のページを早くめくると人間には動いて見えますが、猫には、ゆっくりとページをめくった時と同様、1枚1枚の絵に見えるという感覚です。

そのことから、TVなどを見ていても、猫には動画ではなく静止画がコマ送りで動いているように映っていると言われています。

夜目

元来、夜行性の猫は、人の6倍以上の明るさでものを見ることができます。月夜ほどの明かりがあれば、問題なく行動できるのです。

また、全く光のない暗闇ではさすがに物を見ることはできませんが、ヒゲの感覚や嗅覚などを駆使することで、健康な若い猫なら不自由なく動くことが出来ます。

猫の目の構造はどうなっているの?

目の構造

猫の目は直径約2cmの球体で、主に以下の組織から成り立っています。

  • 瞬膜(しゅんまく/第三眼瞼)…眼球を保護するための不透明の膜
  • 角膜(かくまく)…黒目の部分を覆う透明の膜のこと
  • 強膜(きょうまく/白目)…黒目以外の眼球を覆う不透明な白い膜のこと
  • 瞳孔(どうこう)…光が眼に入る量を調節する役割
  • 虹彩(こうさい)…光の量に反応して瞳孔を調節する役割
  • 水晶体(すいしょうたい)…カメラでいうレンズの役割
  • 網膜(もうまく)…光を像として捉える役割

これらの中でも、瞬膜と瞳孔には、人間とは異なる性質が見られます。

瞬膜

cat_persian人間からは、退化してしまったと言われている瞬膜が、猫にはあります。猫が寝ていて半目を開いている時などに、白い膜が目の全体もしくは一部分を覆っているのを見たことがあると思います。これが瞬膜で、眼球を乾燥や異物から守る働きをしているのです。

瞳孔

人間の瞳孔は、丸いまま巾着を絞るように閉じたり開いたりしますが、猫の瞳孔は縦方向のスリット状に収縮するようにできています。専門的には長円瞳孔(ちょうえんどうこう)と呼ばれており、夜行性の肉食動物に多い形として知られています。

この長円瞳孔の特徴は、光の量を素早く調節でき、微調整するのにも適していることです。また、「全体的には縦方向にぼやけて見えますが、縦方向に伸びた(地面から垂直にある)物質にピントが合うと浮かび上がって見えるので、距離感を掴みやすい」形であると考えられています。

簡単に言えば、「獲物が浮かび上がって見え、距離感が分かるので捕らえやすい」ということですね。

しかし、夜行性の肉食動物が全て長円瞳孔な訳ではなく、比較的小型(体高平均42cm以下)の肉食動物に多いことが、2015年に米国カリフォルニア大学と英国ダラム大学が共同で陸生動物214種を対象に行った、瞳孔と生態に関する研究の結果、明らかになっています。

それらのことから、まだまだ知られていない謎が、瞳孔の形にもあると考えられているのです。

光る猫の目の秘密

夜行性の動物が暗がりで目を光らせている光景をテレビなどで見たことのある方も多いと思います。この現象は猫にも見られます。でも、いくら夜型だとしても人間の目は光りませんよね?

実はこの光、夜行性動物の網膜の後ろ側にある「タペタム」という層に関係しています。

この層は、暗がりの中で物を見るために必要なもので、僅かな光を反射させて増幅し、網膜に感知させる、反射板のような役割をしています。

そして、網膜自体にも「グアニン」という、光が当たることで白く光る物質が含まれています。

これらが作用して、光が反射して目が光っているように見えるということなのです。

猫の目の色の秘密

猫は生まれてまもなくの子は、全て青色の瞳をしています。これを「キトンブルー」と呼び、子猫の間の瞳の色のことを指します。

でも、世の中には様々な色の瞳を持った猫がいますよね。これは、生まれてから2ヶ月ほどすると、メラニン色素と呼ばれる目の色を決定する色素が虹彩に沈着してくるのですが、この色素の沈着具合(メラニン色素の量)で色が変わってくるからなのです。

そして、生後6ヶ月頃には、瞳の色が定着します。大きくは4種類の色に分けられ、3種類の例外があります。

通常の色

      ・ブルー系(サファイヤブルー・ブルー・アクア)
      ・グリーン系(グリーン・ヘーゼル)
      ・イエロー系(イエロー・ゴールド)
      ・カッパー系(オレンジ・カッパー)

4系統・9種類の色あいに分けられます。サファイヤブルーが一番メラニン色素の量が少なく、カッパーが一番多い色となります。

珍しい色

      ・レッド
      ・オッドアイ
      ・ダイクロイックアイ

レッドは、アルビノと呼ばれる先天的にメラニン色素を持つことのできない、遺伝子疾患のある猫に現れる色です。メラニン色素を持たないので、瞳だけでなく身体全体が白く、血管が透けてみえるところが赤く見えるのです。

また、人気のあるオッドアイとは、左右の瞳に異なる色を持つことを指します。先天的な場合と、ケガや病気が影響してオッドアイになる、後天的な場合があります。

オッドアイまた、ダイクロイックアイとは、ひとつの瞳に明確に分かれた異なる色が混在している状態の瞳のことを指します。オッドアイよりもさらに珍しい色合いで、先天的なものです。

後天的になった場合には病気の可能性が高いため、診療内容に眼科があるなど、猫の目に詳しい動物病院の受診をおすすめします。

注意したい猫の目の病気とは?

猫を注意してみていると、目やにが多い、涙が止まらない、左右の目の大きさが違うなどの見た目の変化や、ふらつく・壁にぶつかるなど、目がちゃんと見えているのか分からない状態になるなど、心配になることも多いと思います。

これらの症状が出ているときには、何らかの原因がありますので、注意が必要です。

角膜炎

猫の目やには健康な状態でも出ることがありますが、白や黄色の目やにが多いようなら角膜炎を疑う必要があります。

ゴミや毛、シャンプーなどの異物が目に入ったり、ケンカをしたりして角膜が傷つき炎症を起こす場合、細菌感染やアレルギーでもなる場合等があります。

結膜炎

涙がとまらなかったり、目やにがあったり、また、目の充血・腫れなどがあったりした場合には、アレルギーの場合もありますが、清潔なガーゼなどで丁寧に拭き取り様子をみても改善されないようでしたら、結膜炎の可能性があります。

中でもマイコプラズマの感染が原因だった場合には命の危険もありますので、早めの受診をおすすめします。

その他の疾患

逆さまつげが原因で角膜を傷つけてしまう「眼瞼内反症」、視神経に障害が起こることにより視野が狭くなってしまう「緑内障」、網膜と脈絡膜に外傷や感染等による炎症が起こり、重度になると失明することもある「脈絡網膜炎」なども、猫に多い病気として知られています。

執拗に目部分をグルーミングしている、動きが鈍いなどの変化が見られる場合もありますので、日頃からスキンシップをして、変化に気付けるようにすることが大切です。

おわりに

猫の見る世界と人間が見ている世界とでは、様々な点で違うことが分かりました。

例えば、瞳孔は人間よりも素早く開閉できることも分かりました。しかし、それらは自然界における対応が目的です。カメラのフラッシュなど、瞬時に光の量が激変するようなことは自然界にはないため、そこまでの動きには対応が追付きません。

猫にカメラを向けるときには、自動的にフラッシュになることのないように注意することが大切です。

同様に、人間よりも低い位置で行動する猫ですので、ホコリやゴミなども目に入り易いため、それらが原因でなる目の病が多いことも注目すべき点です。

猫を飼う場合には、衛生面はもとより、整理整頓、清掃も大切だということですね。

猫を知ることで、猫を取り巻く環境をより良いものにしてあげられるのは飼い主さんだけです。より良い環境を、楽しみながら作り上げていきましょう。

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