猫の妊娠と出産の際に気をつけたいこと
この記事は2016年10月12日の記事を再編集しました。
テレビで特集が組まれるほどに人気な猫。猫は哺乳類なので、発情期を迎えると異性を求めて行動を起こし、新しい命を宿します。
愛猫に新しい命が宿ったとなると喜ばしいことですが、妊娠中の猫と接する際にはいくつか注意点があり、それを守らないと猫にストレスが溜まってしまい母猫の命すら危険な状態となることもあります。
今回は「妊娠期間と兆候」「環境作り」「出産後の行動」についての注意事項を紹介します。
猫の妊娠期間と妊娠兆候
猫の妊娠期間は60~68日が目安となりますが、猫が実際に妊娠しているのかを判断するにはある程度期間が過ぎてないと分からない部分があります。
以下のような妊娠兆候がある場合、妊娠しているかもしれません。
見た目の変化
妊娠期間が進み分娩が近づくと、子猫に母乳を与えるために母猫の乳房が膨らんできます。
食事の変化
猫も生き物としての意思を持っているので、新しい命を産み落とすことは最大のストレスを感じる瞬間でもあり、自身のストレス解消と赤ちゃんへ栄養を届けるために食事量が増え、体重が増加します。
行動の変化
普段活発に動いているはずの猫が安静にしていたり、逆にいつも静かな猫が活発に動くようになったり…。近づこうとすると猫が攻撃的になり、こちらを追い払おうとするような行動を起こします。
攻撃的になるのはお腹の赤ちゃんを守ろうとする防衛反応なので、これも妊娠兆候として覚えておきたいものです。
飼い主さんができる環境作り
飼い主さんなら妊娠している愛猫を気遣いたくなるのは当然のことだと思います。しかし、過度に気遣ってしまうことは、後々問題になることもあります。
飼い主さんが愛猫のためにしてあげることは、出産までの間に赤ちゃんが体内でしっかりと発育できるように栄養に富んだ食事を与えること、出産をする際には産みやすい環境を作ってあげることです。
猫が出産しやすい環境は「暗く乾燥している暖かい空間」です。野生の猫は暖房効果のある柔らかい草の上で出産をする習性があるので、赤ちゃんを包み込めるように絨毯のような大きめの布を用意してあげると良いでしょう。
しかし、人間がしてあげれることはここまでです。出産後の赤ちゃんの処置まで行うことは控えましょう。猫にとって母の意識が生まれるのは、赤ちゃんが生まれた瞬間にまだ繋がっているへその緒を切り、胎盤の膜を食べ、濡れた毛を舐めて乾かしてあげた瞬間です。
この工程を人間が全て行ってしまうと母猫は人間が全てやってくれるので、自分は関与しなくても良いという考えになり、育児放棄をしてしまうことに繋がってしまいます。
出産後に気をつけること
出産経験が一度以上ある猫であれば問題ありませんが、初めて出産を経験する猫の場合は出産後の行動にも注意が必要です。
先ほど説明した通り、猫も意思を持っているので経験したことがない出来事に遭遇すると過度なストレスを感じてしまいます。初めての出産は母猫にとっては激痛からの解放と共に、子育てをしなくてはならない重圧を感じているものです。
そのため出産後の行動で、いきなり子猫に近づくことはいくら気を許している飼い主であっても母猫としての本能が働き、飼い主さんにも攻撃をすることがあります。
出産後の猫には構いすぎてしまうことなく、栄養に富んだ食事を用意し母猫の近くに置いて、与えたらすぐに離れるようにしましょう。
しかし、これは子育ての邪魔になるから離れるべきであるということではありません。人間と同じように猫もストレスを感じた時にはその負担を和らげたいという気持ちを持ちます。
近づいても威嚇等をしてこずに甘い鳴き声ですり寄ってくるときには子育てのストレスが大きくなっている証拠なので、生まれた子猫と共に思い切り甘えさせてあげることが大切です。