コラム

猫の目がおかしいと思ったら?眼科検査のススメと最新検査内容

猫は目の病気になりやすい動物です。しかも、中には進行の早い病気もあり、放置しておくと失明してしまう危険性もあります。何らかの異常が見られた時には、速やかに動物病院で検査することが、明暗を分けるカギにもなるのです。

今回は、現在動物病院での目の検査にはどのようなものがあり、どのような病気が発見出来るのかについてお話ししたいと思います。

猫の目がおかしいと思ったら?眼科検査のススメと最新検査内容

眼科検査したほうが良い場合とは?

猫の目に異常がある時には、ウイルス感染、細菌感染、怪我、その他疾病のいずれかに該当することがほとんどのため、放置しておくと重篤化してしまうことがあります。
以下の症状が見られた場合には、まず動物病院に相談に行くようにすると安心です。

  • 目の周りや眼球が赤くなっている
  • 目の周りや眼球の一部、もしくは全体が腫れている(眼球突出も含む)
  • 瞳が濁って見える(白濁など)
  • 目の大きさが異なっている
  • 目やにが多く出ている
  • 涙目が止まらない
  • 目の形がいびつになっている
  • 目に怪我をした

また、以下の行動にも注意が必要です。

・目の周りを執拗にグルーミング(毛づくろい)している
・目を床や物にこすりつける
・目を開けない、目を閉じられない、もしくはまばたきが激しい

上記の症状や行動に加え、イライラから攻撃的になる、逆に一所にうずくまるように大人しくなっている等の場合もあります。

最新の眼科検査ですることとは?

眼科のある動物病院で行われている眼科検査には、どのようなものがあるのでしょうか?
疑いのある病気により検査内容は異なりますが、設備のある動物病院の場合、以下の中から適切な検査を選んで行われています。

視診

検査で最初にすることは「視診」です。これは外見上で見られる変化を確認するためにするもので、通常、正面からと背面から以下の項目を確認します。

正面

眼球の大きさ・眼球の位置・虹彩の色・瞳孔の大きさ(左右の対比も見る)・眼瞼(がんけん/まぶたのこと)の状態・瞬膜(第3眼瞼)の状態(位置等)・眼瞼の異変の有無(腫れ・赤くなっている・脱毛など)

背面

左右の眼球の位置を確認(眼球の突出がないか・拡張していないか等)

動きに対する反応から見る視覚検査

目は見えているのか、瞼は瞳を保護する役目をしているか、眼球は正常に動くかなどについて検査します。

威嚇瞬目反応

前方から顔を手で叩くような、威嚇のしぐさをした時にまばたき(瞬目)するかを診ます。片目を隠して、片眼ずつの反応も診ます。

綿球落下検査

綿球を目の前で落下させ、目がそれを追うかを確認します。猫の場合、綿球だと落下速度が速すぎることもあるため、カット綿等を落とす場合もあります。

光に対する反応検査

瞳孔対光反射検査

暗室で専用の明るい光(トランスイルミネーター等)を眼に当てることで、瞳孔の収縮がどのように起こるかを診ます。光を当てた眼に収縮が起こることを直接反射(直接反応)、光を当てない方の眼も収縮することを共感性反射(間接反応)と言い、両方あるのが正常です。

眩目(Dazzle)反射検査

専用の強い光を眼に当てることによって目を閉じるか(瞬目するか)を診ます。ただし、目を閉じたからと言って必ずしも目が見えるとは限りません。

試薬による検査

シルマーティア(シルマー涙液)量検査(STT) 

主にドライアイ(乾性角結膜炎)を調べる検査です。試験紙を下方から角膜の1/3程度触れるように置き、1分間にどれだけの涙量があるかを検査します。猫の場合、通常14mm~17mmとされていますが、緊張などにより正常値が出ない場合もあります。

フルオレセイン染色検査

主に、角膜にキズ(角膜潰瘍)があるかを調べる検査で、試験紙を白目部分(角膜には触れないようにする)に触れさせることで、角膜が染色されるかを診ます。角膜にキズがあるとその部分が黄緑色の蛍光色に染色されます。しかし、キズが角膜実質の全層に達し、デスメ膜までに及んだ場合(デスメ層が露出した場合)には、陰性となり染色されません。

ローズベンガル染色検査

赤色の染色液を眼に点眼することで、角膜や結膜などにできた傷の有無を調べます。本来、眼はムチン層とよばれる粘膜で保護されていますが、それがドライアイや他の病気等が原因で欠如した場合、検査液を点眼すると角膜上皮細胞が染められるので、傷の位置が分かるのです。

眼圧の検査

magnifier_animal_neko眼球の形を維持するための眼内圧を測定する検査です。特に眼圧の上がる緑内障、眼圧の下がるぶどう膜炎等に有効な検査です。

機器は、点眼麻酔を使用するトノペン、点眼麻酔を必要としないトノベットなどが主に使用されています。それぞれに利点のある器具ですが、どちらを使用する際にも、猫を捕えている力が強いと眼圧にも影響が出るため、適正な数値が出ないこともあります。

スリットランプ検査

スリットランプ(検眼機)により、様々な光を広範囲に当てつつ眼の各部位を拡大して見ることで、眼瞼はもちろん、眼の小さな異常も発見可能な検査です。機器には、設置型と手持ち型があります。

眼底検査

眼底、すなわち目の奥にある網膜や視神経乳頭(脳に続く視神経の束と眼球の接点部分)等を専用の機器で観察・撮影し、網膜剥離や進行性網膜変性(網膜萎縮)などの病変を見つける検査です。直像検眼鏡や眼底カメラを使用する直像検査と、非球面レンズなどを使用する倒像検査があります。

眼の超音波検査

白内障や出血等、何らかの原因により眼内の観察が難しい場合に、10MHz以上の超音波を用いて網膜剥離や眼内の腫瘍などを調べる検査です。いくつかの検査方法がありますが、いずれも眼を固定する必要があるため、点眼麻酔、もしくは全身麻酔が必要になります。

なお、40~50MHzの高周波を用いると、高倍率で深度の浅い部分を観察することが出来るため、角膜や虹彩などを調べる際に使われることがあります。これは別途、超音波生体顕微鏡検査(UBM)と呼ばれています。

細胞診検査

眼瞼や角膜・結膜などの病変が疑われる時に、細菌や真菌、異物などの特定をするために行われる検査です。点眼麻酔後、専用の器具(マイクロブラシ等)で細胞を擦り取ったものを用いて検査します。

細菌培養・薬剤感受性試験

目ヤニ(眼脂)等から採取した細菌を増やして(培養)、どの抗生物質が菌に有効かを調べます。

その他の検査

他の病気が原因で、眼に影響の出る場合もありますので、症状によっては血液検査を行うこともあります。

おわりに

猫は、眼に症状の出やすい動物です。気付いた時には、びっくりする見た目になっていて慌てたという経験のある方もいると思います。また、逆に、放置していたら症状が治まったということを経験した方もいることでしょう。

しかし、それは実は治ったのではなく、病気が潜伏しただけだったということも中にはあります。その場合、体が弱った時に一気にぶり返してしまい、病状もさらに深刻なものになってしまうこともあるのです。

検査は人間と同様の機器を用いてするものも多く、それだけ精密な検査もできるようになってきていることは心強いです。

けれど、これらの中には専用の機器が必要な検査も多く、もちろん全ての動物病院が対応できるわけではありません。そこで、掛かりつけの動物病院が眼科検査に対応しているか、もしくは近隣に対応している動物病院があるかを、予め調べておくことは大切です。

わが子同様のかわいい愛猫のためにも、いざという時には最善の策を見つけてあげたいものです。そして、目に症状が表れた時には、ぜひ、科検査も視野に入れて動物病院を受診して頂ければと思います。

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