コラム

猫だって肥満は万病のもと!まずは肥満度チェックとダイエット

「フードやおやつをせがまれるから、ついつい与えてしまう」という飼い主さんは多いことと思います。しかし、それが肥満に繋がっているとしたら?健康面が心配ですね。

医療の進歩のおかげで、寿命が大幅に伸びている猫たち。その中で、人間世界でも問題になっている、生活習慣病と言われる様々な病気にかかる猫も増えています。その大きな原因の一つが肥満。

今回は、この猫の肥満に飼い主さんが向き合うことで、病気を回避するためのお話をしたいと思います。

太った猫

猫は何kgから肥満なの?

一般的な猫は、約3.5~5kgの範囲が通常体重と言われています。

しかし、猫の中でも小型であるシンガプーラ、大型のメインクーンのように、通常体重の範囲にはおさまらない猫もいますし、同じ猫種であっても、個体によって最適な体重の範囲が異なることから、一律に何kgからが肥満という表現は適切ではありません。

では、どのように肥満か否かを判断すれば良いのでしょうか?これにはいくつかの判断基準があります。

猫が肥満か否かを判断する基準とは?

成長期から見る理想体重で判断する

一般的な猫は約12ヶ月で成長期を終えるため、1歳の誕生日を迎えた頃の体重が理想体重とされています。現在、この体重の120%を超えると肥満であると考えられています。

しかし、メインクーンは3~5年の間成長期が続くなど、品種によっては成長期が異なるため、まずは飼っている猫の成長期がいつまでかを知る必要があります。

ボディ・コンディション・スコア(BCS/Body Condition Score)

このスコアは、多くの獣医が採用している判断基準です。5つのスコアに分かれ、痩せすぎ~肥満までが判断できるものです。

BCS1 ... 削痩(さくそう)

  • 肋骨 皮の下すぐに骨を確認できる。
  • 骨格 簡単に触れる。
  • 体型 横から見ると、肋骨が浮き出ており、腹部の凹みが深い。
  • 体脂肪 5%以下
  • 理想体重 85%以下

BCS2 ... 体重不足

  • 肋骨 ごく薄い脂肪が確認できるが、簡単に骨を確認できる。
  • 骨格 簡単に触れる。
  • 体型 上から見て、細く腰がくびれている。
  • 体脂肪 6~14%
  • 理想体重 86~94%

BCS3 ... 理想体重

  • 肋骨 わずかな脂肪が確認でき、骨を確認できる。
  • 骨格 上から見て、胸囲と腰にくびれのある、なだらかな隆起を確認できる。
  • 体型 腹部はごく薄い脂肪に覆われていて、腰のくびれが確認できる。
  • 体脂肪 15~24%
  • 理想体重 95~106%

BCS4 ... 体重過剰

  • 肋骨 脂肪に覆われているため、確認が難しい。
  • 骨格 全体が、やや厚みのある脂肪に覆われていることが分かる。
  • 体型 腹部に丸みがあり、腰のくびれもほとんど確認できない。
  • 体脂肪 25~34%
  • 理想体重 107~122%

BCS5 ... 肥満

  • 肋骨 厚い脂肪に覆われていて、確認することが難しい。
  • 骨格 弾力のある厚い脂肪に全体が覆われている。
  • 体型 厚い脂肪で覆われていて、腰のくびれも確認できない。
  • 体脂肪 35%以上
  • 理想体重 123%以上

これで判断する時にネックになるのは、「ごく薄い」「やや厚い」などと表現される脂肪の厚みで、どれが「ごく」なのか「やや」なのか分かりづらい点です。判断する際の目安は、上から見たときに腰にくびれがない、お腹を触ったときに引っ込まずに丸みを帯びで少し出ている場合は、体重過剰(BCS4)であると判断ができます。

お腹の皮がたるんで見えたら肥満?

太った猫前章での、ボディ・コンディション・スコアによる肥満判定では、脂肪による丸みがお腹にあると肥満傾向であることが分かりました。では、お腹の皮のたるみはどうでしょうか?

これは『ルーズスキン』と呼ばれているものなのですが、結論から言えば、これは肥満であるかどうかの指標には関係がありません。

このルーズスキンは、全ての猫にあるわけではありませんが、猫種に限らず、自然にできるものなのです。

また、猫種によってルーズスキンになる確率が高いこともあります。アメリカンショートヘアや、ベンガル、エジプシャンマウや、その血を引く混血などに多いと言われています。

なぜルーズスキンになるの?

これには諸説あります。その中でも2つの説が主流で、喧嘩などで怪我をした祭に、内臓などに致命傷を負わないように保護する役目をしているという説、ジャンプなど身体を極限に伸ばした時に、必要だという説です。

しかし、ルーズスキンに一生ならない猫もいることから、その信憑性には疑問視する声もあります。

ルーズスキンと肥満

皮がたるんでいる場合は、肥満とは関係ないと書きましたが、このたるみに脂肪が確認できた場合には、肥満傾向にある疑いが出てきます。たるみ部分を触ってみることで、すぐに分かりますので、脂肪による厚みがあるかの確認をしてみると良いでしょう。

では、肥満傾向にあると判断できた場合には、どうしたら良いのでしょうか?これは、人間同様、やはり運動と食事によるダイエットが基本となります。

運動によるダイエット

肥満猫の場合、運動が苦手なことが多いので、運動だけによるダイエットは難しいと考えたほうが良いでしょう。しかし、運動をすることは筋肉量が増すため、代謝エネルギーが多くなるというメリットがあります。

少しでも現在よりも運動量が多くなる環境を作ってあげることが、健康的なダイエットの一歩です。

遊びによる運動量増加

  • ねこじゃらし、ケリケリしたくなるぬいぐるみなどのオモチャを与える。
  • キャットタワーなどを設置し、上下運動のし易い環境を作る。

おもちゃによるダイエットには、飼い主さんとのコミュニケーションも兼ねたものや設置しておけば良いものなど、色々なものがあります。猫の性格により選んでみると良いでしょう。

運動に関しては、1日数回、1回の運動時間は15分が目安ですが、日頃運動し慣れていない猫や高齢猫にとってはこの時間は難しいと思います。最初は1回に2~3分でも良いので、継続して行えるようにしてあげましょう。

食事をするときに器具を用いる

  • 転がすことでフードが少しずつ出るおもちゃなどを使用し、運動をしないと食事ができない環境にする。

この方法は、フードを与えてもすぐに完食してしまい、おかわりをねだる猫にも有効です。猫の狩猟本能も刺激してくれますので、ストレスも解消しながら運動と食事をすることができます。

食事によるダイエット

食事を制限すれば、体重が減ることは必然です。

しかし、猫はストレスに弱いため、ストレスが原因となる病気になりやすいです。また、摂取する栄養が極端に少なくなってしまうことで、肝臓の機能が低下し、肝臓に脂肪が溜まってしまう脂肪肝(肝リピドーシス)にもなりやすいとされています。脂肪肝は、命を落とす危険もある病気です。
病気のリスクもありますので、長いスパンを持ってダイエットに取り組む必要があります。

必要カロリーの計算方法

ダイエット時に摂取したい必要カロリーは、理想体重における安静時必要カロリー(RER)です。この計算式は、以下の通りとなります。これを元に、一日に必要なフードの量を決めましょう。

理想体重×30+70=安静時必要カロリー

上記で算出されたカロリーに、肥満傾向になる猫(BCSなら4)は1.0、肥満猫(BCSなら5)の場合には1.2を掛けることで、一日に必要なカロリーの目安を導き出すことができます。

フードの与え方

一日に必要なカロリーは制限されても、栄養まで制限してしまうことは健康上問題です。また、上記で算出された量よりも大幅に多く与えていた場合、すぐに上記のカロリー量に制限してしまうこともおすすめできません。

フードは安静時に必要なカロリーまで少しずつ減らしていくことが肝心です。また、1日の食事回数を増やす方法等で空腹を感じさせないようにすることも大切です。

栄養バランスの良いドライフードやダイエットフードへ食事を切り替え、猫が好むウェットフードは適時与える形に変更し、猫がストレスを感じないように心掛けてあげましょう。

ダイエット時の体重の減少について

ダイエットを始めたら、必ず体重を測るようにしましょう。体重減少の目安は、1週間に0.5~1.5程度です。これ以上減っているようでしたら、体に負担になっている可能性がありますので、フードの量を少し増やすなどして適正な減少率になるように調整しましょう。

おわりに

ここでは、簡単な肥満の診断方法とダイエットの方法をお話しました。この方法は、多くの肥満猫さんが行っている方法なので有効ではありますが、全ての猫に当てはめることは出来ません。

中には運動が苦手でちっとも動いてくれない猫、おかわりを要求して夜鳴きまでしてしまう猫などもいることでしょう。
困ることがあった時、自己判断でフードの量を調節するのではなく、獣医師に相談したりして、愛猫独自のダイエット方法を確立していくことが必要です。

肥満猫は見た目にはかわいいですが、健康的に長生きしてもらうためにも、ぜひ、適切なダイエットを考えてみてくださいね。

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