コラム

猫の口が臭い!考えられる原因とその対策

猫は、外敵や獲物に自分の匂いを勘付かれることのないように、匂いを消す習性があります。その習性のひとつが「グルーミング」で、舌で被毛を舐めとることで、被毛に付いた汚れや匂いを取っています。

けれど、そのように用心深い猫でも匂ってしまうことがあるのです。これには、様々な原因が考えられますが、そのひとつに口臭があります。口臭のある猫がグルーミングをすると、その匂いが逆に被毛にも移ってしまうからです。

今回は、この「口臭」に着目しました。口が匂う時にはどのような問題があり、どのような匂いがするのか、またそうならないための対策についても、お話ししたいと思います。

猫の口が臭い!考えられる原因とその対策

口臭の発生源はどこ?

口臭がする時に考えられる発生源は、大きく分けると2つあります。

口の中(口腔内)

フードを食べたばかりの時なら、フードの匂いがすることもありますし、猫に多い歯肉炎や歯周病などが原因で、歯についた歯垢や歯石、歯肉などから匂う場合もあります。

体内からの匂い

人間でもそうですが、いくら歯磨きをしてもすぐに口臭のする場合があります。これは、口の中に匂いの原因があるのではなく、体調不良だったり、内蔵その他に何らかの病気等があったりすることで、胃腸内等から発せられる匂いです。

口臭のする病気とは?

猫に多い、口臭のする病気には様々なものがありますが、その中でも多いのが歯肉炎などの口腔内の病気です。

歯垢や歯石が匂う

口の中に残った食べカスの中で細菌が増殖し、約8時間かけて歯垢となります。

この時はまだ、白っぽい粘着質ですが、そのままにしておくと、唾液の中に含まれるカルシウムやリンと結合して石灰化してしまいます。これを歯石と呼び、この状態になると歯ブラシなどで擦っても簡単には取れません。

歯肉炎その他の病気の原因がこの「歯垢」と「歯石」です。

歯肉炎や歯周病

歯周病猫「歯肉炎」は、歯垢中の細菌により発症する歯肉の炎症です。歯肉が赤く腫れて出血しやすくなります。触ると、血がたくさん出る場合もありますが、この段階でデンタルケアをすれば、まだ改善の見込みがあります。

これを放置しておくと「歯周病」へと移行します。歯肉はブヨブヨになり、血だけでなく膿も出るようになります。これが悪臭を放ちます。また、歯槽骨も溶けだし、歯が浮いたり、グラグラ安定しないようになったりして、最終的には抜けてしまいます。

また、歯肉炎や歯周病で口の中に蔓延している細菌の毒素は、口腔内に留まらずに体内にも運ばれるため、腎臓病などの内蔵疾患の原因になることも少なくありません。

感染症

ウィルス感染症も口臭の原因になります。「猫カリシウィルス感染症」「猫クラミジア感染症」「猫ウィルス性鼻気管炎(ネコヘルペス)」などの、通称「猫風邪」と呼ばれる病気(猫伝染性呼吸症候群)は、猫が掛かる率の多い病気ですので、注意が必要です。

特に冬は、気温が下がり乾燥することからウィルスが増殖しやすいので、ウィルスの活動が弱まる室温23度前後、湿度50~60%以上を保つように心がけましょう。

糖尿病

膵臓のインスリン(ホルモン)が不足する、また、あるにも関わらず身体が反応しないことで血糖値が高くなる病気です。

人間の2型糖尿病に類する糖尿病の場合には、膵臓の機能自体は止まっていませんので、初期の段階で適切な処置をすれば完治する可能性もあります。しかし、2型でも症状が進んでしまっている場合や、1型に類する糖尿病(膵臓の機能自体が破壊されてしまう)の場合には、インスリンの投与や食事療法などが生涯必須になる病気です。

腎不全

腎臓の機能(老廃物を濾過して尿として排出させるための機能)の多くが失われてしまう病気です。そのため、尿で毒素(老廃物やリンなどのミネラル類、電解質等)を体外に排出することが出来ずに体内に溜まっていき、尿毒症を引き起こします。

また、多尿による脱水、嘔吐や下痢・便秘、体重減少、高血圧や貧血症状、倦怠感など様々な症状の出る、猫の死因として一番に挙げられている病気です。

腎不全になると、現在の医療では腎臓移植(国内では殆ど実施されていません)以外には完治させることができません。そのため、輸液や静脈内点滴(水分の補給)と食事療法(リンやタンパク質等の制御)を中心に、進行を緩やかに、また症状を緩和させるための治療(対症療法)が一般的です。

巨大結腸症

腹筋や腸の扇動運動(波打つような動き)が弱くなることで、便が排泄されずに結腸に留まり直腸が巨大化する病気です。先天性・後天性があり、後天性の場合は、ケガによる神経損傷や、骨盤骨折等による骨盤狭窄(骨盤の間が狭くなること)が原因のこともあります。

軽度の場合は、便秘を改善する薬剤の使用をすることもありますが、溜まった便が骨盤の間よりも太く固くなることもあり、そのまま出すことが難しい場合には、麻酔をして便を書き出したり、外科的手術で直接腹部から便を取り出したりすることもあります。

水腎症(すいじんしょう)

腎臓と膀胱を繋いでいる尿路(尿道・尿管)が何らかの原因で塞がれて(閉塞)、尿が腎臓内の腎盂(じんう)に溜まり、尿毒症(毒素が蓄積して全身の臓器に障害をもたらす病気)を起こしてしまう病気です。

しかし、腎臓は2つあるため、片方のみ水腎症になった場合は、正常な腎臓がその分も働くことで尿毒症の症状が出ないため、無自覚(無症状)のまま進行してしまうこともあります。

病気により口臭の違いはあるの?

口臭の匂いも、ひとつではありません。病気により異なる異臭がします。言葉で表現することは難しいですが、一般的に言われている表現で言うと、以下の通りとなります。
※必ずしも、下記の表現が当てはまるとは限りません。

      ・歯肉炎、歯周病 … 腐敗臭、ドブの様な匂い、生ゴミの匂い
      ・腎臓病、肝臓病 … アンモニア臭
      ・胃腸系の病気 … 卵の腐った匂い
      ・糖尿病 … 甘いような酸っぱいような匂い(ケトン臭)
      ・巨大結腸症、腸閉塞 … 便の匂い

口臭予防はデンタルケアが不可欠

歯ブラシする猫飼い猫にデンタルケアをしているか尋ねると、未だ積極的にはしていないと回答する方も多いのが現状ですが、人間同様、猫の健康とデンタルケアには、深い結びつきがあります。様々なデンタルケアの中から、できる方法を選んで、今日から早速ケアをしましょう。

毎日の歯磨き

猫用の毛先の柔らかい歯ブラシ(もしくは人間の乳児用)を歯に軽く当てて、やさしく粘膜を傷つけないように磨きます。

それが難しい場合には、デンタルシートやガーゼ等を指に巻いて、口の中に異物が入ることを慣れさせながら磨きます。猫用の歯磨きペーストなども市販されていますが、基本的には使用しないでも効果があります。

注意点としては、やさしくブラシを当てることと、なるべく若い段階から慣れさせることです。嫌がる猫に無理やりすることは、ケガにも繋がりますし、猫自体、ストレスを感じてしまい良くありません。

また、すでに歯周病になっている猫には、ブラッシングが逆効果になることもありますので、必ず獣医師に相談してから行うようにしましょう。

歯磨き効果のあるおやつ

歯磨き専用スナック等を食後に与える方法です。嗜好性もあるので、喜んで食べてくれて、噛むことによって、スクラブ効果で歯垢を取る他、歯石の沈着を防ぐ成分や、抗菌作用のある成分を配合しているものもあるので、歯磨きが苦手な猫には有効です。

プロバイオティクス・サプリメント

歯周病の原因になる菌を、口の中で増殖させないようにするために、善玉菌と呼ばれることもあるプロバイオティクス(歯周病に関係する菌を抑制する菌)を、サプリメントで口腔内に取り込む方法です。

おわりに

さまざまな病気で発生することのある口臭ですが、その病気の原因に歯周病が関係していることは少なくありません。デンタルケアを嫌がる猫もいますが、なるべく若い時からデンタルケアをすることは、様々な病気の予防対策にも繋がります。

どうしてもケアすることが難しい場合には、飲み水に入れるだけで、口の中の衛生を保ってくれる液状のデンタルケア商品もあります。

猫の平均寿命も、年々延びて来ています。ずっと健康でいてもらうためにも、これを機会にぜひ、継続的なお口のケアを始めてみましょう。

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