コラム

猫に黄疸がみられたら危険!その訳と予防方法

黄疸というと、白目の部分が黄色味を帯びている状態をイメージすると思います。これは人の場合ですが、猫はどこで判断すれば良いのでしょうか?また、黄疸になった場合、早急に治療を受けないと命を落とすこともあると言いますが、これは本当なのでしょうか?

今回は、黄疸という症状についてと、その原因、考えられる病気などから、黄疸の予防方法と根治出来るか等についてお話しします。

猫に黄疸がみられたら危険!その訳と予防方法

黄疸とはどんな病気?

「黄疸」自体は病名ではなく、なんらかの疾患等により、ビリルビンという色素が血液の中に増え、皮膚や粘膜等に沈着する症状のことを指します。皮膚などに沈着するため、外見からも黄色く見えるのですが、中には外見上からは分からない場合もあります。

血液検査をすれば、簡単に黄疸であるかの診断はできます。

どうして黄疸症状が出るの?

ビリルビンは、血液の中に含まれる赤血球がその役目を終える時に、肝臓の機能によって作られる物質です。通常は胆汁として体外に排出されますが、代謝機能になんらかの問題が発生すると、体内に留まってしまうために黄疸の症状となります。

また、赤血球が破壊される病気等に掛かり、代謝が追いつかなくなることでも同様に黄疸の症状が出ます。

猫は黄疸になると外見上どう変わる?

必ずしも変化が見られるとは限りませんが、黄疸になると猫の場合、以下の変化が見られる場合があります。

  • 口の中が黄色になる
  • 耳の内側が黄色になる
  • 目の白目の部分が黄色になる
  • 尿が濃い黄色になる

黄疸はこわいというのは本当?

病気猫黄疸は、例えば、毒物や薬物などの摂取等により肝機能が低下することで起こることがあります。この場合、緊急に処置をしないと命に関わります。

それ以外の病気によるものだとしても、楽観は出来ません。黄疸が出るということは、体になんらかの異常が出ている状態だからです。

放置して治るものではありませんので、黄疸の症状が確認できたら、速やかに動物病院で診察を受けるようにしましょう。

黄疸が出る主な病気

黄疸と言えば、肝臓の病気を一番に疑いたくなりますが、様々な病気が原因で肝臓に障害が起き、黄疸が出る場合もあります。ここでは、猫に多い黄疸の出る可能性のある主な病気を紹介します。

糖尿病

通常、膵臓で作られるインスリン(ホルモン)の量不足・作用の阻害などが影響して、糖分が細胞に取り込めなくなり、体に様々な異常(ふらつき・歩行障害・嘔吐・下痢等)が現れたり、病気が併発(脂肪肝・皮膚病・膀胱炎・腎障害等)したりする病気です。

この病気になると、長い間、インスリンの投与(注射など)や経口血糖降下剤(血糖値を急激に上げないための薬)などの使用、また、食事療法などが必要になります。急性の場合には、入院治療を余儀なくされることもあります。

糖尿病は、ご存知の通り、肥満でなることが多いため、日頃から栄養バランスのとれた食事を、適量与えることが予防の第一歩です。

肝リピドーシス(脂肪肝)

ホルモン異常・脂肪代謝異常などにより肝臓に脂肪が溜まってしまう病気です。重篤になると、意識障害や痙攣などの症状も見られるようになります。

ダイエットを必要とする猫が罹(かか)る傾向にある病気で、栄養が偏っていたり、間違ったダイエットをしたり、ストレスから食欲減退が起こった時などに発症することがあります。また、食事を3日以上取らない状態が続いた場合にも、この病気になる可能性があります。

治療では、特定した原因に応じて抗生物質の投与・強制的な栄養補給(栄養点滴・輸液・食道や胃に管を入れての直接補給等)などを行います。

予防のためには、栄養バランスを考えた食事を与え、食事をしてくれない場合には、3日を待たずに動物病院へ行くことをオススメします。

肝炎(肝硬変・胆官炎・胆管肝炎など)

肝炎とは、何らかの原因(薬物や毒物による中毒・寄生虫や細菌・ウイルスへの感染・事故等で肝臓にダメージを負う等)で肝臓に炎症が起こり、肝臓が正常に機能しなくなる病気です。

肝炎の厄介なところは、初期の頃はまったく自覚症状がないところです。しかし確実に進行していきます。急性の場合には、一刻も早く治療を開始する必要があり、治療開始の時期によっては、命に関わることもあります。

黄疸はもちろん、下痢や嘔吐・発熱、多飲多尿、お腹の腫れ等の症状のいずれかが見られたら、速やかに診察を受けることが大切です。

予防としては、ワクチンの予防注射が有効な場合もあります。また、定期的に健康診断を受けることが早期発見に繋がります。

トキソプラズマ症

トキソプラズマという寄生虫に猫が感染することで起こる病気です。豚肉や鶏肉を生で与えたり、感染した猫やネズミの糞等に混じった寄生虫の卵が何らかのタイミングで口に入ったり、ハエやゴキブリを媒介することで発症します。

健康な猫は無症状、もしくは一時期下痢症状などが見られる程度ですが、幼猫や老猫、免疫力が低下している猫(猫エイズ・白血病など含む)の場合には、発熱・下痢・食欲不振・呼吸困難・肺炎・肝炎などの症状が現れる場合があります。

治療は、抗菌薬の投与が中心です。無症状の場合でもオーシスト(寄生虫の卵)を排泄時にバラまくことになるので、特に多頭飼いの場合には注意が必要です。

pet_tenteki_catまた、人にも感染する人獣共通感染症(ズーノーシス)でもあるため、予防は重要です。妊婦の場合には、流産の危険もあります。予防方法としては、室内飼育の徹底、住空間の清掃、肉類を与える時には完全に火を通すことなどが有効です。

伝染性腹膜炎(FIP)

猫の多くが有している猫コロナウイルスが、突然変異して猫伝染性腹膜炎ウイルスとなり発症する、致死率99%と言われている病気です。乾性型と湿性型があり、猫は湿性型が多い傾向にあります。

感染しても発症せずに一生を終える猫もいます。しかし、一旦発症すると、湿性型では腹水や胸水が溜まり、発熱や呼吸困難などに陥り、数日から数ヶ月で命を落とすことが殆どです。

乾性型では腎臓・肝臓・神経その他体の様々な部分に不調が現れるようになりますが、数日で命を落とすことがある一方、対処療法(抗生物質やインターフェロン、抗炎症薬の投与)等で比較的長生き出来ることもあります。

予防方法としては、感染した猫の唾液や尿などに触れさせないようにする、ウイルスに対する予防接種をする、ストレスのある環境に置かないなどが有効です。

黄疸が出たら根治は難しい?

黄疸が出る病気には、早期に治療することで完治出来る病気もあります。しかし、一刻を争う事態になる場合が多いことも、今回の主な病気の例でお分かり頂けたことと思います。

もし、観察していて、たまに見える白目部分の色がおかしい、普段はピンク色の歯茎が白~黄に見える、耳や被毛の下の皮膚が黄色っぽいなどの異変が見られたら、躊躇することなくすぐに病院に行き、原因となる病気の特定をすることが大切です。

おわりに

黄疸が出る病気には、長期に渡る治療の必要な場合が多くあります。

例えば糖尿病になると、インスリンの投与量を決めるために最初に入院検査(日帰り入院含む)が必要になり、その後、長い期間、療養食のみの食事とインスリンの投与を継続的に行うようになります。

治療にかかる費用では、適合する治療法を見つけるまでの検査が40~50万円になった例もあり、その後もインスリン・注射器・再診・検査・療養食代金などで月々3~5万ほど必要になるなど、金銭的にも負担が増えます。

こうしたことも踏まえ、予防に努めることはもちろん、ペットのための貯蓄やペット保険の加入も視野に入れ、いざという時には、費用に躊躇することなく、愛猫に十分な治療を受けさせてあげたいものですね。

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