コラム

猫が異物を飲み込んだ!その時の対処方法

死に至る危険性もある、誤飲に対する知識を持っておくことは、万が一の時に慌てず行動をするためにも大切です。今回は、猫はどのようなものを誤飲しやすいか、どのような対処方法があるのかなどをレクチャーします。

猫が異物を飲み込んだ!その時の対処方法

ペットの誤飲は多い?

猫は、好奇心旺盛な動物です。興味のあるものを、すぐに口に入れる性質があります。

そのことから、誤飲が原因で動物病院に行ったケースだけでも、犬猫合わせて年間20万匹いるとのデータが出ています。家庭で吐き出して事なきを得たものを含めると、このデータも大きく変わるものと思われます。

特に、幼少期の子猫にその傾向が強く、嘔吐や排泄物に変なものが混じっていて、初めて誤飲に気付くケースも多々あるようです。

このように、自然に排出されれば良いのですが、中には毒性のあるものや、内蔵を傷つけてしまう可能性のあるもの、喉に詰まっての窒息、腸管に詰まってしまう腸閉塞など、数々の危険が潜んでいるのです。

そのため、異物を飲み込んだときの対処方法としては、まず、何を飲み込んだのかを知ることが先決です。飲み込んだものが何かわからない場合も含めて、次の章で、飲み込みやすい異物をご紹介します。

猫が誤飲しやすい異物とは?

猫は、口に入るものはなんでも誤飲する危険性があると言っても過言ではありません。

その中で、遊んでいるうちに誤飲してしまう可能性の高いものとして認識されているのが、ひも状のものや、キラキラ光るもの(猫用おもちゃに多い)です。

その他の形状も含めて、誤飲の多い異物にはどのようなものがあるか、見てみましょう。

      ・ひも状のもの(木綿・毛糸・化繊・ビニールなど素材は様々)
      ・棒状のもの(針・綿棒・つまようじ・骨・結束バンド等)
      ・ゴム製品(哺乳瓶のちくび部分・輪ゴム・風船その他)
      ・ウレタン製品(ウレタンマット・耳栓など)
      ・小さな粒状のもの(薬・コイン・ボタン・タバコの吸殻・木の実&種・ビーズなど)
      ・猫用おもちゃ(キラキラ光るもの・音の出るもの・小動物の形をしているもの・その他)
      ・猫が中毒を起こす食べ物(チョコレート・玉ねぎ・にんにく・ニラ・ネギ等)
      ・液体(有毒性のあるもの)

saihou_hari上記に記載されている“針”については、単独の誤飲ではなく、糸を誤飲する過程で、糸の先に針が付いていて一緒に飲み込んだという例もあります。また、様々な異物と一緒に誤飲してしまうことの多いものとして、人間の髪の毛もあり、特に長い髪の毛には注意が必要です。

猫の誤飲のサインとは?

猫が誤飲した時には、どのようになることが多いのかを知ることは、誤飲の発見を早めることにもつながります。以下、誤飲の可能性のある症状や仕草をまとめました。

  • 呼吸が変則的になったり苦しそうにしていたりする
  • 呼吸困難で酸欠状態になり、舌や歯茎などが青紫色になっている(チアノーゼ)
  • 吐こうとしているが吐けない(何も出ない、もしくは少量のよだれだけ)
  • 短時間に何度も吐くけれど、液状のものしか出ない
  • 食事以外の時に、口を咀嚼(そしゃく)するように動かしている
  • 食欲がない
  • 元気がなく、動かない

緊急を要することもある誤飲です。誤飲を認めたら、適正な処置が大切です。特に、毒性のある劇薬やチアノーゼが出ている場合には時間が勝負です。すぐに動物病院に連絡するようにしましょう。

異物を誤飲したときの対処方法

誤飲といっても、何を飲み込んだのかにより、その対処方法も異なります。吐かせてよい場合、ダメな場合など様々ですので、対処方法と対象になる異物についても見ていきましょう。

口から取り除く

口を開けさせると、異物があるのが見える場合、指やピンセットなどを用いて取る方法です。これは家庭でもできる方法です。その際は、しっかり保定(体を動かないように押さえる)して、器具などで口内を傷つけることのないように十分な注意が必要です。

しかし、紐状で先だけ見えているような場合や、鋭利な固形物(針や骨、その他内蔵を傷つける可能性のある形状)等の場合には、安易に取り除こうとすることで、さらに悪い状態になることがありますので、動物病院で取り除くようにしましょう。

吐かせる(催吐処置)

誤飲したものが、喉に引っかかっているような仕草を見せる(苦しがっている・嘔吐の体制をするけれど出ない等)場合には、肩甲骨と背中の間を軽く叩いて援護してあげたり、体ごと抱えて頭と口を下に向かせ、背中をポンポンと軽くたいたりする方法で吐き出す場合もあります。

動物病院では、オキシドールやトラネキサム酸等の副作用を利用して、催吐剤として使用する方法を取ることが多いです。特に、中毒を起こす食べ物や人&動物用の薬、鋭利ではない小さなおもちゃ等の誤飲だと判明している場合は、この方法を採用することが多いです。

ただし、針や鶏の骨など鋭利な物質や、ガソリン・軽油・灯油などの腐食性物質などは、吐かせると逆に危険ですので、この方法は使用しません。

※中毒を起こす食べ物を少量だけ誤飲した場合には、獣医の判断によりますが、吐かせないで済む場合もあります。

中和する

有毒物質を吸着する作用をもった活性炭などを投与し、腸から毒素が吸収されることを防止する方法です。リン、不凍液(エチレングリコール)、農薬、ヒ素などに有効です。ただし、青酸カリなどのシアン化合物には効果がありません。

胃を洗う(胃洗浄)

毒物などが吸収されないように、直接胃に洗浄液(生理食塩水)を流し込むことで、有毒物質を洗い流す方法です。通常は鼻や口から専用チューブを差し入れて、洗浄液が透明になるまで何度も洗浄を行います。

この方法は主に、劇薬の誤飲など緊急を要する時に行われます。

排泄と一緒に出す

下剤などを用いて、排泄物と一緒に出す方法です。これは、有毒物質などを飲んでしまった時に、有毒性を中和する薬(活性炭)の服用と併用して行うことが多い処置方法です。

また、誤飲の形状と誤飲物がある場所、誤飲からの経過時間等から、自然に排泄するのを待つ場合もあります。この時、肛門から異物の一部だけ出てきている状態になることがありますが、無理に引っ張り出すことは、内蔵を傷つける可能性が高いことから厳禁です。

通常は、次の排泄で便と一緒に排出されますので、経過を見守りましょう。ただし、排泄されるのを待つことで、猫が傷つく可能性のある場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。

外科的手術により取り除く

他の方法で取り除くことが難しく、体内にあることで、内蔵を傷つけたり詰まって腸閉塞などを引き起こしたりする可能性のある場合、もしくはすでに腸閉塞などを起こしている場合に、開腹による手術が行われます。

この方法は麻酔なども使用するため、猫の体力や他の疾患、年齢などとの兼ね合いにより難しいこともあります。

誤飲の防止方法

pet_omocha_neko誤飲を、完全に防止することは難しいですが、誤飲を防ぐ環境を作ることはできます。

「猫の行く場所には、誤飲しやすいものを置かないこと」これが、最重要課題です。

  • 肉を巻いた紐や焼き鳥の串など、猫の好きな匂いの付いたものを放置しない
  • 誤飲しやすいものは放置したり飾ったりせずに、猫の手の届かないところにしまう
  • 猫のおもちゃは人のいる前でのみ使用する
  • 常に清潔を保つ(髪の毛等を床に落としたままにしない)
  • 大きなものでも、食いちぎった前歴のあるものを放置しない(ウレタンマット等)

また、入って欲しくないところ(例えばキッチン等)には侵入防止柵を作り、侵入を阻止する方法もあります。

おわりに

誤飲は、犬に比べると少ないと言われている猫ですが、猫を飼っている人に聞くと、一度は誤飲の経験があるという答えが返ってきます。これは誤飲したものの、すぐに吐き出す、排泄する等で事なきを得たケースが多いことを物語っています。

そのことは、逆にいつ、緊急を要する誤飲が起こるか予想出来ないということも示唆しているのです。

誤飲があった場合、何を飲み込んでしまったのかの特定ができると、病院での処置も早くなります。例えば、人の薬を飲んでしまった場合には、その薬の箱を持参するなど、獣医師がすぐに確認できるようにすることも大切です。

しかし、実際に誤飲を発見して猫が苦しそうにしていた場合は、それどころではないと思います。その際には、すぐに動物病院に電話などで連絡して指示を仰ぐなど、ペットの状態をみることを最優先に、行動して頂ければと思います。

ペットの異変を察知してあげられるのは、飼い主さん家族だけです。日頃から、コミュニケーションを取ることで、少しの変化も気付ける家族でいたいものですね。

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