コラム

猫の糖尿病は何が原因?症状から見る早期発見のコツと治療法

この記事は2017年6月30日の記事を再編集しました。
猫の糖尿病は、短期間で検査結果の数値が変化することもあって、判断が難しく、医者泣かせの病気の一つと言われています。また、糖尿病は一度発症すると、完治が困難なだけでなく、飼い主にも大きな負担がかかる事でも知られています。

しかし、日々のちょっとした心遣いで、予防や病気の改善も可能です。
今回は猫の糖尿病がどういうものなのか知り、早期発見と予防に是非役立てて頂ければと思います。

猫の糖尿病は何が原因?症状から見る早期発見のコツと治療法

糖尿病とはどんな病気?

糖尿病とは、大切な栄養素の一つである「糖」の吸収が出来なくなってしまう病気です。

排泄する猫血液中の糖は、通常であれば膵臓で作られるインスリンが作用することによって細胞へ吸収されます。しかし、これがうまく作用しなくなると、血液中に糖が残ってしまい、血糖値が異常に上昇してしまします。また、一部は尿として体外へ排出されるため、病名の通り糖が尿に混じってしまう状況へと至ります。

糖の吸収が出来なくなってしまうと、栄養不良、嘔吐、脚のふらつき・多食多飲・元気がなくなる等の症状が見受けられます。重度になると、意識障害や感染による膀胱炎や皮膚炎を発症してしまいます。また、腎障害や肝不全等の合併症になることもあります。

糖尿病の種類

糖尿病は大きく分けると、1型と2型に分類されます。

  • 1型糖尿病
    自身の膵臓を免疫細胞が何らかの原因によって攻撃してしまい、インスリンを作る機能を破壊してしまうことによって糖吸収ができなくなる糖尿病。
  • 2型糖尿病
    インスリンの分泌量不足、またはきちんと分泌されているのにも関わらず、十分な働きをしない状態になる糖尿病。

この分類は人間の糖尿病を模した分類方法ですが、猫の多くは2型糖尿病に該当すると言われています。もちろん1型糖尿病を発症しない訳ではありませんし、2つのどちらにもあてはまらないこともあり、これが猫の糖尿病を複雑なものにしている要因の一つでもあります。

猫の糖尿病の原因と症状

1現状では、1型糖尿病の原因がまだはっきりとしたことが解明されていません。しかし、2型の多くは顕著な原因があります。それは「肥満」であるということです。また、高齢猫もは発症率が高くなり、特に9歳を越えたあたりから増える傾向にあります。

糖尿病全体の原因としては、ストレスが溜まっている・遺伝による影響・薬による影響等関係していると言われています。

では、実際糖尿病になる段階でどのような症状が現れてくるのでしょうか?

  • 初期
  • 多食多飲であるにも関わらず、体重がそのまま、もしくは減少する。尿の量が増える。

  • 中期
  • かかとが地面につくような形で歩く等、目に見えて歩行がおかしくなる。

  • それ以降
  • 食欲減退、吐く回数が増える、意識障害が起こる、下痢、腎疾患・白内障・脂肪肝・腎不全等の合併症にかかる。

症状の中でも分かりやすいのが「食事や水の量」です。普段より食欲旺盛になったり、水を多く飲むようになった時には、検査してもらうと安心です。

合併症に多い腎不全とは

先述した通り、糖尿病が進行すると、合併症のリスクが高まりますが、その中でも多く発症するのが腎不全です。

腎不全には急性腎不全と慢性腎不全があります。糖尿病の合併症としては、慢性腎不全を発症することが多いと言われています。腎不全は症状が進行するまで目立った症状がみられないこともあり、「サイレントキラー」と呼ばれることがあります。

しかし、飼い主が気づきやすい症状として「尿の量が増える」というのがあります。
ところが、この症状は糖尿病だけでなく、他の病気にも見られる症状であるため、糖尿病と判明するのに時間を要してしまいます。

他にも、毛艶が悪くなったり、嘔吐や痙攣等の症状が現れることがあります。小さなことでも、普段とは異なった点に気がついたら、時間や状態をメモし、担当医へ伝えましょう。

治療をしない状態のまま進行してしまうと、尿毒症になってしまい、命を落とす可能性もあるため楽観することは禁物です。

慢性腎不全は食事療法として、タンパク質やナトリウム、リン等の栄養制限をすることが知られています。しかし、糖尿病治療との兼ね合いもあるので、自己判断はせずに必ず医師に相談するようにしましょう。

糖尿病の治療方法と費用について

糖尿病治療は基本血糖値を正常に戻すことに尽きます。そのため、治療は基本インスリン投与になります。しかし、中にはインスリン投与をしないケースもあります。治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。

インスリンの投与による治療

インスリンには種類があるため、まずはどのインスリンが合うか検査で確かめます。その後インスリンを投与し、血糖値を下げる(糖を体に取り込めるようにする)治療を開始します。

インスリンの投与は皮下注射にて行うことが多く、さらに毎日投与が必要になります。そのため、通常は獣医師指導のもと、猫の食事の前に飼い主が皮下注射を打つことのなります。

食事を抜いたり、食事量が少なくなると、逆に低血糖になってしまうことがあるので注意が必要です。

低血糖の症状は以下があります。

  • 痙攣
  • ふらつき
  • 動かなくなる
  • 頭を傾けたままになる
  • 動作がおかしくなる

症状が現れている時に、「少し様子を見よう…」とそのままにしてしまうと、次第に意識がなくなり死にいたることもあるため、自宅でインスリン投与を行う際は、万が一低血糖になってしまった時の処置方法についても、必ず獣医師に確認しておくようにしましょう。

食事療法による治療

肥満猫肥満の猫の場合、減量タイプである満腹感をサポートしてくれるフードを、食事回数を1日3~4回に増やして与えます。脂肪が少なく、食物繊維が豊富なフードにすることで血糖値の急上昇を抑えます。

しかし、猫が減量タイプのフードや推薦されたもの等食べてくれないこともあると思います。こうした場合においても、なるべく脂肪が少なく食物繊維豊富なフードを選ぶようにしましょう。

また、食事コントロールには、低炭水化物の物を選ぶことが重要です。安価なキャットフードは高炭水化物のものもあるので、フードを選ぶ際には注意しましょう。

なかなか食事をとってくれない場合は、糖尿病でも食べて良いとされている食品を少量茹でて与える方法もあります。(例えば、鶏のむね肉、ささみ、豚肉、牛肉、おくら、かぼちゃ等)

ただし、アレルギーや薬との兼ね合い、タンパク質に関していえば、猫によって高タンパク質の方が良い場合、低タンパク質の方が良い場合とありますので、獣医師に確認を取って与えるようにしましょう。

糖尿病の費用について

糖尿病でインスリン治療が行われる場合、平均月額約3~5万円の費用がかかると言われています。この費用にはインスリン代やフード代が含まれていますが、検査費用は含まれていません。

先にも記述したように、猫の糖尿病は判断が難しいため、検査に時間と費用がかかってしまうことがあります。検査だけでも10万円以上の費用がかかること場合もあります。

また、一部糖尿病を除き、インスリン投与から脱却できることがあれば、それが難しいこともあります。トータルでの治療費がどの程度になるのかを算出することが難しい病気なのです。

おわりに

猫の糖尿病は、人間や犬とは違い判断をすることが難しい病気と言われていますが、これは興奮することで血糖値が上昇することや、膵臓にストレスが加わることで一時的に糖尿病症状が現れてしまう、一過性糖尿病があるためです。

血糖値だけで判断し、猫にインスリン投与をしてしまうと、低血糖に陥ることもあります。これは一過性の場合も同様です。

こういった側面を見ても、猫の糖尿病は詳しい獣医師に診断してもらうことがとても重要になってきます。そして、糖尿病は治療費がかさむことが多く、家計の負担も大きくなることが考えられる病気です。

愛猫が糖尿病と診断された時に、適切な治療が受けられるように、ペット保険やペット貯金をするなど万が一の将来に備えておきましょう。

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