コラム

猫も認知症になる!その時のケアと家庭でできること

認知症とは、脳神経の細胞が死んでしまったり正常に働かなくなったりすることにより、認知機能が低下してしまう病気です。人間では周知されてきましたが、実は猫にも増えてきている病気なのです。

今回は、猫が認知症になると、どのような行動をするのか、またケアはどのようにしたら良いのかなど、猫の認知症に関わる疑問についてお話ししたいと思います。

猫も認知症になる!その時のケアと家庭でできること

猫は何が原因で認知症になるの?

人間も同じですが、「加齢」による脳組織の劣化が原因になることが多いようです。また、「ストレス」も、脳内の酸化物質を増やすことになるため、認知症の原因や促進に繋がります。

認知症を疑う行動とは?

猫が、認知症にかかっているかどうかの判断材料のひとつに、行動の変化があります。万が一認知症だった場合、そのままにしておくと症状の悪化が加速する場合もありますので、おかしいと思ったら、行動を記録して獣医師に相談することをおすすめします。

反応がない・鈍い

名前を呼んでも反応しない、大好きなフードを置いても目の前に持っていかないと反応しない、遊びにも無関心になるなど、今までとは異なる関心の無さがある場合、注意が必要です。

トイレの場所を忘れる

今までトイレの失敗はなかったのに、トイレ以外のところで粗相をすることが多くなった場合。(トイレの掃除が行き届いていない・場所が悪い等を除く)

大きな声で鳴く

何も目的がないのに鳴く、夜鳴きするなどの行動があります。また、鳴いている時に飼い主さんが遮ろうとしても、鳴き止まないこともあります。
※甲状腺機能亢進症にも同様の症状の見られる場合があります。

徘徊する

よく見ると、同じ所をぐるぐると回っていることが多いです。また、以前は大丈夫だった狭い所に入り、自力で脱出出来なくなることもあります。

食欲が異常

ちょっと前に食べたにも限らず、食欲が止まらないことがあります。また、逆に食欲が低下することもあります。
※甲状腺機能亢進症にも同様の症状の見られる場合があります。

恐怖心を感じて萎縮(もしくは威嚇)する

人や動物、音、特定の場所など、今まではなんともなかったものに恐怖心を覚えて、萎縮したり威嚇したりといった行動に出ることがあります。

飼い主や家族を認識できない

これはとても悲しいことですが、飼い主や家族ですら認識できなくなることがあります。これは、外と室内の行き来可能な飼い猫の場合、家の中では認識してくれるのに外では認識してくれないという場合もあります。

認知症の治療について

猫の認知症の治療に特効薬は存在しません。しかし、認知症が進むのを遅らせることは可能です。そのためにも、早期に発見することが重要になります。

老猫病院では、認知症と似た症状の出ることがある「甲状腺機能抗進症」や「慢性腎不全」などを血液検査などで調べ、それらに該当するかどうかを見た上で認知症の判断をします。

認知症だと分かった場合の治療の方法は大きくは2つになります。

薬物療法

脳内のドーパミン生成量を増やす効果のある薬を使用する場合があります。人間でもアルツハイマー症の患者に投与されることのあるものです。

食餌療法

抗酸化物質である、オメガ3脂肪酸などを含んだフードを与えて、脳を活性化することで、進行を遅らせる方法です。

家庭でできるケアとは?

認知症の猫の家庭でのケアは、進行を遅らせるためや、QOL(生活の質)を保った生き方を送る上で大変重要な役割をします。

どのようなケアができるのか、見ていきましょう。

食事の管理

治療の章での「食餌療法」の実践です。抗酸化物質入りのフードやサプリメントを使うことで、進行を遅らせるためのサポートをします。

脳に刺激を与える

寝て起きて食べて、お水を飲んでトイレに行ってまた寝る…。特に老猫になるとこのようなルーチン(日々の決まった作業)になってしまうことがあると思います。

けれど、これでは筋肉がどんどん落ちてしまいますし、何よりも脳に刺激がありません。認知症まっしぐらです。

そこで、脳の活性化をするためにできることに取り組みましょう。とはいっても特別なことではありません。例を参考に、猫の様子を見ながら行ってみましょう。

・話かける、何かしたら褒める、目を細めてきたらこちらもお返しに目を細めるなど、コミュニケーションをとる。
・ブラッシングをしたりマッサージしたりしながらスキンシップを図る。
・猫の体調や好みにあった遊びを一緒にする …など。

ストレスへの対策をとる

家の中には、ハード面もソフト面も、ストレスに関係するものが散乱しているかもしれません。それらを見つけ出し、なくしていくことが大切です。

ハード面

・足腰が弱くなったと感じる場合には、階段やスロープ的なものを設置するなど高低差を調節して、お気に入りの場所に無理なく行けるようにする。
・徘徊しても大丈夫なように、障害物となるものをなるべく置かないようにする。
・居住空間の配置などをなるべく変えないようにする。
・においに敏感な猫が嫌う、芳香剤や香水などを使用しないようにする。

ソフト面

・大声を出したり無理に抱いたりといった、猫の嫌がる行為をしない(子どものいるご家庭の場合は、特に注意しましょう)。
・新しい猫やペットを迎え入れることは慎む。
・シャワーが苦手な猫ならなるべくシャワーを避けて、猫用のウエットタオルや水のいらないシャンプーなどを使って清潔を保つようにする。

介護が必要になったときに出来ること

認知症が進んでくると、介護が必要になることもあります。その時に、どのようなことが起こりうるのか、出来ることには何があるか等を考えてみましょう。

異常に食べる、またはほとんど食べない

健康を害するほど食べてしまう場合には、獣医師に相談の上、一回のフードの量を減らしたり、回数を増やしたりすることで調整する、また、肥満猫用の食べにくいお皿や転がすと数粒フードが出てくるおもちゃなどを利用することが有効な場合もあります。

フードを変えたり、ふやかしたりと工夫しても食べない場合には、強制給餌や栄養点滴なども視野に入れないとならないこともあります。猫は3日間食べないと急性腎臓病になる可能性も高くなります。生命の危険にも関わりますので、必ず病院に相談してください。

攻撃や破壊行動

ひっかく猫訳のわからないイライラや、いわれのない恐怖心に囚われ、攻撃したり破壊行動を起こしたりすることがあります。猫が恐怖している対象がわかっているなら猫から見えないようにし、興奮が収まるのを待ちましょう。

柱を噛んだり、クッションの中身を出したりするような行動をする場合には、対象物を片付けたり、猫の嫌いなにおいのスプレー(しつけ用の市販品)を吹き付けるなどで対応出来ることもあります。

こうした問題行動には、つい叱ってしまいがちですが、認知症の猫に叱ってもストレスになるだけですので止めましょう。

狭い場所で動けなくなっている

認知症になると、後戻り出来なくなることが多いので、万が一、先が行き止まりの狭いところ等に入ってしまったら、抜け出すためのお手伝いをしてあげましょう。

無反応・寝てばかりいる

無反応でも、話かけたり、時折撫でてあげたりコミュニケーションはとるようにしましょう。また、寝たきりになっている場合には床ずれが心配ですので、柔らかで清潔な毛布等の上に寝かせ、一日に数回以上、床にくる体の位置を変えてあげましょう。

失禁や、粗相をする

猫の介護の中で、これが1番大変なものです。トイレの場所がわからなくなって粗相したり、あらゆる場所に粗相してしまったりする場合には、トイレの数を増やすことで解決することもありますが、正直難しい問題です。

ここで叱っても、猫は悪気があってしているわけではないので、効果はありません。逆にストレスで認知症が悪化する可能性もあります。

寝たきりの場合には、ペット用おむつの使用も視野に入りますが、移動出来る場合には、おむつを取ってしまうことが多いので、これもおすすめ出来ません。見つけ次第、処理するしかないのが現状です。

排泄が自分で出来ない

逆に、排泄が自分でできなくなる場合もあります。その時には、膀胱を押しておしっこを促したり、お腹をさすって腸を刺激して排便を促したりといった介助が必要になることもあります。方法については獣医師の説明を受けて、その子にあった方法をしてあげましょう。

介護が難しくなったら?

認知症になっても、症状には波があります。かわいい表情を見せてくれることもあるでしょう。飼い主さんなら、それだけで介護も頑張れると思いますが、仕事の関係や家庭の事情で、どうしても面倒を見ることが難しくなってしまうこともあるかもしれません。

一人暮らしで、日中の介護が難しい場合には、介護もしてくれるペットシッターに頼むという方法もありますが、それでも難しいという場合には、老猫介護施設への入所もひとつの手段です。

認知症の場合、ストレスの原因になる環境の変化は、出来ればしないほうが良いのですが、介護が難しい場合には、留守宅に置いておくよりもはるかに安全だからです。

猫の最期をどのように看取るかは、飼い主さんそれぞれの考えがあると思います。いずれにしても、最期まで責任を持って、家族としての対応をしてあげたいものですね。

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