コラム

猫が居心地の良い空間を作るためにするべきこと

近年、日本でのペットとして飼育される犬猫の総数が、犬首位から猫首位に変わってきています。
これは、猫がかわいいことはもちろんですが、高齢化や核家族化、住宅事情などの要因もあり、散歩やトリミングなどの手間が犬に比べて少なく、狭い空間でも飼えることから猫に注目が集まっているということの表れでもあります。

しかし、猫はストレスを感じやすく、それが続くと病気にかかりやすくなったり、長生きできなくなったりするということは、意外と知られていません。

今回は、猫の習性を知ることで簡単にできる「猫にとって居心地の良い空間」作りについてのお話です。

猫が居心地の良い空間を作るためにするべきこと

野良猫から学ぶ、猫の習性

野良猫をほとんど見かけないという地域もあるかと思いますが、野良猫を思い浮かべた時の動作等を考えてみると、その習性の一部が覗けると思います。少しピックアップしてみましょう。

  • 塀の上などの高いところに座っていたり歩いていたりする
  • 高い場所にジャンプして飛び乗ったり、高い場所から簡単に飛び降りたりする
  • 公園の低木や草むらからひょっこり顔を出している
  • 日中、陽の当たる場所で寝ている
  • いつも決まったところで同じ猫を見る
  • 犬や他の猫などに出会うと、毛を逆立てて威嚇する
  • ヨガのようなスタイルで、自分の被毛を舐める
  • 土などを掘って排泄し、その上にまた土をかける

「ああ、確かに猫ってこんな感じだな」と思われたことと思います。
これらのことから読み取れることは、以下になります。

  • 高い所が好き
  • 高い場所や塀などの横幅の無い場所でも平気で歩ける
  • 跳躍力がある
  • 狭いところや暗がりに隠れる
  • 陽のあたる場所が好き
  • 猫にはテリトリーがある
  • 自分のテリトリーに入ってくる動物を警戒する
  • 舐めることで体臭などを消し、清潔を保つ
  • 土や砂などを排泄物にかけることで、ニオイを消す

野生で暮らす動物に不必要な動作はありません。これらは全て猫にとっては生きる上で必要な動作なのです。反対に言えば、猫を飼う時にこうしたことを制限すればするほど、猫にとってストレスが溜まっていくということですね。

それを踏まえた上で、猫にとって居心地のよい空間を作るにはどうすれば良いのかを考えていきましょう。

猫のトイレに必要なものとは?

ペットのトイレグッズは、犬はトイレシートを直接敷くだけでOKということが多いのに対し、猫は砂やチップ状のものを多く見かけます。

猫のトイレこれは、外敵や獲物に居場所を特定されることを防ぐために「臭いものに蓋をしている」という説、排泄物から「病原菌などが蔓延することがないようにしている」という説などがあります。いずれにしても猫の習性として「排泄物には砂状のものをかける」ことが必要であるからに他なりません。猫を飼い始める前に、猫砂は用意するようにしましょう。

猫砂にはどんなものがあるの?

現在、猫のトイレ用「猫砂」には、紙製や木製、鉱物系が原材料のもの、大きさや形状にも様々なものがあります。

おしっこをすると固まってそれだけ処分すればよいもの、人間用のトイレに流せるもの、燃えるゴミに出せるものなど処分方法が簡便なもの、消臭機能を併せ持つものなど、機能面に優れたものもあります。

猫により砂の大きさや形状の好みもありますので、もしも合っていないと感じられた場合には、他の形状のものを試してみるのもおすすめです。

犬を飼っていて犬用のトイレシートがあるから猫もそれを併用…などということは、健康な猫にはしないようにしましょう。
※ケガや病気の猫の場合は、その限りではありません。獣医師の判断に従ってください。

なお、猫は清潔好きですので、汚れたトイレでは排泄してくれなくなります。便や、固まった砂は排泄の都度回収する等、清潔を心掛けましょう。

猫の住空間は広いほど良い?

マンションなどの部屋数が限られている場所に住んでいると、「狭くて可哀想かもしれない」と思うことがあると思います。しかし、猫は野生でもテリトリーの中で生活し、追い出されることがない限りは他の場所へ移動しません。

そのことから、例えワンルームで生活するとしても「猫の習性に考慮した空間作り」をしてさえあげれば、猫はストレスを感じることなく生活できるのです。

とはいえ、子猫の頃から飼っている場合は部屋に順応できたとしても、保護猫の場合はどうでしょうか。

保護猫の場合、保護されるまでの間は外で生活していたことから、窓から外を見て「出して」と鳴いたり、ガラス窓に爪を立てたりすることもあるでしょう。郊外で周囲も猫の外飼いに理解のある地域でしたらまた違うかもしれませんが、いずれにしても外には外敵や自動車などの危険が隣り合わせです。

外出をする猫は、完全室内飼育の猫と比べると平均寿命が2年程差があるというのが統計として出ており、いつまでも健康で長生きして欲しいと考える場合には、完全室内飼育をすることが推奨されます。

猫もいずれ室内飼いの環境に慣れていきますので大丈夫です。しばらくはストレスになってしまうかもしれませんが、遊んであげるなど、気を晴らしてあげつつ見守りましょう。
※どうしても慣れてくれないと感じる場合には、獣医師やペットの専門家に相談すると良いでしょう。

高いところが好きな猫のためにできることとは?

前章で「猫の習性に考慮した空間作り」が話題に出ましたが、実はこの章でお話することが一番重要です。

猫は、よく塀や屋根の上で見かけることがあるほど高いところが好きです。これは外敵から身を守る、獲物を待ち伏せする、外敵のいない場所でリラックスできるなどのメリットがあることから備わった習性と言えます。

これだけを読むと「それなら飼い猫には高いところは必要ないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、身体能力として高いところにジャンプしたり、高いところで平均を保ったりといった能力を持っていますので、それができない環境では身体が衰えてしまいます。

猫の喜ぶ空間作りとは?

そこで、必要なのが上下運動のできる空間です。若い猫などはこれといって何か用意しなくても、机やカーテンレールなどを伝ってタンスや冷蔵庫の上などに落ち着く姿が見られるかもしれません。

キャットタワーしかし、それらには危険も伴いますので、できればキャットウォークやキャットタワーの設置などを検討されることがベターです。けれど、それが難しい場合もあると思います。

その時には、既存の高低差のある家具などの一部を猫のために利用することで代用も可能です。
※家具を階段のように設置する、積み上げたカラーボックスの上段を猫の居場所のために空にするなど。

また、脱走対策の一つとして飼い主が外出する際に猫をケージに入れておくということがあるようですが、猫は上下に移動できる空間を確保してあげることが大切です。できることからはじめてみましょう。

猫が嫌うこととは?

ここまで読むと、何となくどのような空間が猫に適しているのか、分かってきたことと思います。では、猫が嫌う空間とはどのようなところでしょうか?

猫の嫌う空間7選

  1. 上下運動できる場所がない
  2. 大きな物音が聞こえる・騒音がある
  3. 隠れる場所がない・快適な居場所がない
  4. 日光に当たれない
  5. トイレが汚い
  6. トイレと食事をする空間が近い
  7. 洋服など被毛を覆われるものを着せられる(例外もあり)

例え狭い部屋だったとしても、上下運動のできる空間がれば猫は運動ができます。また、狭い場所や安心して隠れられるスペースがあると、猫は安心することができます。

猫は清潔好きですので、トイレが汚かったり、トイレに近い場所で食事したりすることは好みません。

一日中、工場の音が響く、大音量で音楽等が鳴っているなど大きな音のする環境もストレスになります。

また、猫は日光浴することで、ビタミンDを被毛に蓄え、それを舐めとること(グルーミング)で吸収します。また、日光は体内時計や体内環境を整えることにも必要です。そのことから、日光が終日当たらない場所での生活は体調を損なうことにつながるのです。

その他、グルーミングは猫のストレスの軽減や気分転換にもなりますので、かわいいからという理由で洋服などを着せることも望ましくありません。病気やケガ、手術等で必要な時以外は、服は着せないようにしましょう。

ただし、体温調節が難しくなった高齢猫や、被毛のない猫種で寒冷地にいるなど、一部の猫には必要な場合もあります。服自体、猫のストレスになることが多いので、そのことも含め必要と思われる場合には獣医師等に相談すると良いでしょう。

おわりに

いかがでしたか?猫にとって居心地の良い空間は、意外に簡単に作れることに気付いたのではないでしょうか?

猫の習性を理解すると、どうすれば猫にとっての居心地のよい空間になるかも見えてきますね。細かい点は猫の個性も影響しますので、愛猫ちゃんと一緒により良い空間作りにトライして頂ければ幸いです。

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