コラム

猫に噛まれた!引っ掻かれた!その時の応急処置と感染症のお話

この記事は2017年9月13日の記事を再編集しました。

猫の飼い主であれば、一度は噛まれたり引っ掻かれたりした経験があることでしょう。大半は甘噛みだったり、皮膚の表面が少し傷ついたりする程度なので、あまり普段は気にしないかもしれません。

しかし、そのままにしておいたがために、とんでもない病気になってしまうこともあります。

今回は、駆虫や予防接種をきちんと受けていた猫であっても安心できない、猫を媒介する感染症の症状と応急処置の仕方等についてお話したいと思います。

猫に噛まれた!引っ掻かれた!その時の応急処置と感染症のお話

猫はなぜ慣れた人間にも噛んだり引っ掻いたりするの?

疑問を持つ女性通常猫は、生まれてから兄弟猫とじゃれあったり狩りごっこ等をすることで、甘噛みや爪を出さずに猫パンチをすることを自然と学びます。敵意のないものにケガをさせないためです。

しかし、まだ幼い時期に親兄弟から引き離されてしまった仔猫には、それらを学ぶ機会がありません。そのため、加減が分からずに飼い主等にケガをさせてしまうこともあるでしょう。

一緒に生活していく中で、こういことを次第に学ぶこともあるでしょう。問題は、そうしたことを学んだはずの猫の本気噛みや爪での攻撃です。
「心がつながってると思っていた飼い猫に噛まれた!」「かわいい野良猫が近づいてきたから撫でようとしたら引っ掻かれた!」等、猫にケガを負わされたという話は尽きません。

思いが通じていないのかと、悲しい気持ちになる瞬間ではありますが、猫の気持ちになってみると、事情は少し変わってきそうです。
猫は周辺のちょっとした変化に敏感なので、驚いたり、恐怖を感じたり、興奮したりすると、自己制御出来なってしまう瞬間があります。

本気で驚いたり、身に危険を感じた時には、たとえ飼い主に対してでも、甘噛み等でなく、本気で噛んだり、爪で攻撃してきたりするのです。
これは、弱肉強食の世界を生き抜いてきた猫の自己防衛手段であり、猫が悪いわけではありませんので、ここは人間が我慢するしかありません。

しかし、本当の問題は噛まれたり、引っ掻かれたりした後のケガです。実は、そのまま放置しておくと大変なことになるかもしれないからです。

猫によるケガで感染?その種類と症状・ケアについて

「軽いミミズ腫れ程度のケガなら何度か負っている」という方は多い事でしょう。しかし、それでは今まで何もなかったことは、運が良かっただけかもしれません。

大変なことになってから慌てないためにも、猫によるケガで注意しなければならない、病気と症状、そのケアについて見ていくことにしましょう。

パスツレラ症

パスツレラ症は、猫の口の中(口腔内)に、ほぼ100%の確率で存在する菌です。
通常、猫にとって害はありませんが、これが人間の粘膜質の部分や傷口に入ると、短期間で腫れ・化膿などの症状が表れ、非常に強い痛みとともに、その範囲が広がっていくことがあります。炎症が起こると、鼠径部や脇の下、喉などのリンパ節も腫れてくる場合もあり、苦痛が伴います。

パスツレラ菌は、噛まれたり引っ掻かれたりした場合はもちろん、猫に舐められたり、体をすり寄せられたりしただけでも感染することがあります。
猫は毛繕いするために体中を舐めてますが、その時に爪や被毛にもパスツレラ菌が付着するので、油断は禁物です。

猫ひっかき病(バルトネラ症)

病名には、ひっかき病と付いてますが、もちろん噛まれたことにより感染することもあります。また、舐められたり被毛が接触したりした部分に傷があると、そこから感染する場合もあります。

原因は、猫に寄生するネコノミの排泄物に含まれるバルトネラ菌です。

これを人間が感染すると、3日~10日ほどたってから、虫刺されに似た赤みや水泡が現れます。さらに1~2週間経ってから、リンパ節が腫れて痛みや熱、悪寒や頭痛などの症状が出てきます。
パスツレラ症とは違い、ケガを負ってからすぐに発症しないため、原因が特定しにくいところが厄介です。しかし、発症してから数週間~一ヵ月ほど腫れや痛み等が持続したあとは、多くの場合は自然治癒の傾向にあります。

ただ、稀ではありますが、脳炎や眼球運動障害、肉芽腫性肝炎、心内膜炎などの重篤な症状に発展する場合もあります。早期回復するためにも病院での治療は必須です。
また、猫ひっかき病は、猫にも症状が出ることもあり、発熱や食欲不振、また神経機能の障害(一過性)見られるケースがあります。

飼い主はもちろん猫の予防のためにも猫ノミがいたらすぐに対処し、猫ノミが猫に寄生しない環境を保持するように努めていきましょう。

カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症

猫による感染の中でも、危険なのがこのカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症です。パスツレラ症と同様に猫の口内に常在している菌で、これまでの感染症と同じく、噛まれたり引っ掻かれたり、傷口等から感染し、発症することがあります。

発症すると、約2日~2週間ほど経過してから発熱や頭痛、腹痛、嘔吐等の症状が出ます。その後、意識障害に陥ることや、髄膜炎や敗血症の症状が出て、敗血性ショック・多臓器不全等により、死に至るケースもあるのです。
抗生物質の投与での治療が可能で、完治する例もあることから、この感染症も早期発見が要になります。

その他の感染症

非常に稀ではありますが、破傷風や狂犬病といった病気に感染することもあり、これらは死に至る危険の高い感染症です。

噛まれたり引っ掻かれたりされたを安易にとらえて欲しくないのは、こういったことがあるからです。

応急処置と予防方法

もし、噛まれたり引っ掻かれたりした場合には、すぐに応急処置をすることが大切です。
まずは水道水等の綺麗な水で傷口をよく洗い、消毒液で消毒し、必要に応じて患部を圧迫することで止血をすれば応急処置の完了です。

救急箱受傷したからといって、必ず発症する訳ではなく、応急処置だけで大丈夫な場合もありますが、心配であれば、猫による受傷したことを医師に告げた上で、可能性のある感染症の検査を受けることをおすすめします。
また、全ての感染症に言えることですが、飼い主が免疫不全疾患を抱えている時には、発症すると重篤になる確率が高いことから、細心の注意が必要となります。

予防方法としては、猫を驚かせたり、身の危険を感じさせるような態度を取ることは避けましょう。また、居住空間を清潔に保ち、猫ノミを発生させないようにする、予防のための薬の投薬や塗布をしておきましょう。万一ノミが寄生してしまった場合には、すぐにノミ駆除をする等の対策も必要になります。
同時に、定期的に爪を切り、鋭利なままにしないことや、猫に接触した後には必ず手を洗うことも徹底しておくと予防に繋がります。

おわりに

猫を飼育してると多少の傷は当たり前になることも多く、飼い主自身も病気に関してあまり気にしない傾向にあります。

しかし、普段は大丈夫でも、体調が悪い時に受傷することで発症してしまうこともあります。

また、受傷した記憶がないのに発症した例もあり、この場合いつも猫と一緒に寝ていたり、猫が顔や体を舐めてくることが多いといった、猫とのコミュニケーションの延長から発症しています。知らないうちに小さな傷をつけられた可能性や、舐められたところに傷があったことで感染した可能性も考えられます。

過敏になる必要はありませんが、こうした発症例もあることを留意した上で、対策を取ることは、人間にとっても猫にとっても快適な暮らしをすることに繋がります。できることから実践していきましょう。

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