コラム

猫をお風呂に入れる方法と乾かし方

猫はきれい好き。自分でグルーミングすることで、体に汚れを残さない動物だからお風呂は不要、という話を聞くことがあります。これはある意味で本当のことなのですが、やはり飼い猫の場合は、お風呂に入れたいと思うこともあるでしょう。
今回は、猫がお風呂を嫌う理由と正しいお風呂の入れ方についてお話しします。

猫をお風呂に入れる方法と乾かし方

猫のニオイと水嫌いの関係

猫が臭わない理由

猫は、起きている間の半分に近い時間をグルーミング(毛づくろい)に費やしている、という文献もあるほどきれい好きです。
このグルーミングには、気分転換体温調節などの意味もあるのですが、最大の目的は、消臭にあります。

これには理由があり、野生の猫は肉食なため捕食をしなければ餌を食べることができません。しかし、ニオイがあると捕食対象の小動物に気づかれ、逃げられてしまう確率が高くなるためです。食べ物が入手できなければ、生命を維持することができません。

幸い、犬などと違い猫は皮脂線(毛根部にある脂肪を分泌する器官)が発達していません。ニオイの元になる皮脂の分泌が元々少ないこともあり、グルーミングだけで臭わせない(清潔を保つ)ことができるのです。

猫が水嫌いな理由

猫が水嫌いな理由は、先ほどお話した皮脂線からの皮脂の分泌が少ないことにも関係しています。皮脂が少ないということは、水を弾くことができないということでもあります。そのため、びっしょり濡れてしまうと、体を震わせても水分を除去することができません。

体温調節が苦手な猫が濡れてしまうということは、生命の危険にも直結します。

少し話は飛びますが、猫(イエネコ)の祖先と現在考えられているリビアヤマネコ(アフリカヤマネコ)は、砂漠地帯に住んでいました。砂漠は、日中は炎天下に晒されますが、日没後には急激に気温が下がり、その気温差は20度以上に及びます。

ずぶ濡れのまま日没を迎えることは、体温を奪われることにも繋がり、死を意味することでもあったのです。

こうした、祖先から受け継がれた習性が現代の猫にもあります。そのため、例え飼育されきちんと管理してもらえる環境であったとしても、水は恐怖の対象になってしまうことが多いのです。

猫にお風呂は必要?不要?

猫はグルーミングによって身体をきれいに保つことができる動物なので、基本的にお風呂に入れる必要はないというのが結論です。

お風呂に入る猫しかし、猫はいろいろなところへ行ったり、動き回ることが好きな動物です。室内飼育をしていてもグルーミングでは落とすことができない汚れがついてしまうこともあるかもしれません。家と外の出入りが自由な場合は尚更です。

また、高齢猫の場合、グルーミングを余りしない、してもやり残してしまう部分が出てくることもあります。
病気にかかっている猫も然(しか)りです。特に、猫に多い口内炎にかかっている猫の場合、グルーミングするほど臭くなってしまうこともあります。

こういった理由からニオイが気になったり、見た目が汚れていると感じる場合には、お風呂に入れたほうが良いということになります。
※病気の場合は、獣医師の判断が必須です。

猫のお風呂の頻度は?

ここで問題になってくるのが、猫をお風呂に入れる頻度です。

猫にとって水は恐怖の対象ですから、お風呂はとても強いストレスになります。ストレス要因の多い外猫の寿命が、飼い猫よりも大幅に短いことを考えても、お風呂を入れる回数は少ないほうが良いのです。
また、回数が多すぎると、それでなくても少ない皮脂が奪われ、逆に皮膚病に発展してしまう場合もありますので注意が必要です。

そのことからも、健康な短毛種の猫の場合は、年に1~2度に留めるようにすると良いでしょう。(お風呂好きな猫の場合でも、皮脂の面から月に一度が限度という獣医師の見解があります)

長毛種の猫はグルーミングのみでは被毛の根元までケアをすることが難しく、汚れが溜まってしまうと考えられているので獣医師によっては年4回程度まではお風呂に入れても良いとすることもあります。
しかし、それでもお尻周りは汚れが気になることもあるので、お尻周りの被毛だけを短くカットする等の対応も検討してみましょう。

どの場合においても、一番重要なのは猫の性格を見ながら回数を決めることです。極端に水を嫌う猫は、無理にお風呂に入れようとはせずに「濡れタオルで全身を拭く」「猫専用のドライシャンプーを使う」などの方法も有効です。

ただし、病気の猫の場合はまた違ってきますので獣医師の判断に従うようにしてください。

猫のお風呂の入れ方

お風呂といっても、湯船に入れる必要はありません。正確に言うと、シャンプーとシャワーでの洗浄になります。ここでは、猫にとってなるべくストレスが少なくて済む方法をお伝えしたいと思います。

お風呂前の準備

まずは、よくブラッシングをして不要な毛やゴミなどがついていたら取り除きます。この時、皮膚が傷つかないようにやさしくブラッシングするようにしましょう。

また、爪も切っておくと万が一の時に安心です。爪は、血管を切らないように少し余裕を持って切ってくださいね。

シャンプー&シャワーの手順

  1. 35度前後のぬるめのお湯を出し、まずは首から背中、尻尾の方向にシャワーをして頭部以外の全身を濡らします。この時シャワーは弱めで、なるべくシャワーヘッドと体を付けるようにすることで、水音を響かせないようにします。
  2. 次に、シャンプーを濡れた部分に付けて洗います。事前にシャンプーを水で溶いたものを用意しておくのもおすすめです。この時、必ず猫(ペット)専用のシャンプーを使用してください。人間用のものは猫には強力なため、避けましょう。

    洗う順番は、首周辺から尻尾にかけての順を守りましょう。これは万が一、ノミが付いていた時に、顔に集らせないためにも重要です。

    シャンプーを十分に泡立てて、皮膚まで行き届くように、指の腹でやさしくマッサージするように洗っていきます。特に足の先(肉球部分)や肛門・尻尾は丁寧に洗ってください。

    その後出来るようあれば、顎下や頭の上などを柔らかいスポンジやタオルを水に浸したもので拭いてあげてください。少しシャンプー液が混じっても大丈夫です。

  3. シャンプーが終わったら、シャワーで十分にシャンプーを落とします。この時も、首から尻尾にかけてシャワーヘッドを体に付けるような形で流していきます。

    顎下や頭の上などを洗った場合には、同じくスポンジなどを用いてシャンプー液が残らないように優しく擦ります。

  4. 最後に、全身を撫でて余分な水を落とします。

これを、できれば5分以内で済むようにします。

タオル&ドライヤーの手順

  1. シャンプーが終わったら、すぐに大きなタオルで全身を拭いて、なるべく水分を取るようにします。この時、擦るのではなく、水を吸い取らせるような気持ちで拭いてください。バスタオル2~3枚、もしくは吸収力の抜群なタオルが市販されていますので、それを用いても良いでしょう。
  2. 次にドライヤーです。顔部分を避け、風量は弱めにして、手で被毛の間に空気を入れるような感覚で被毛を撫でながらドライヤーをかけます。ヤケドしないように、適度に熱風の当たる場所を変えながら行ってください。

    この時に膝の上に乗せながら、また、声をかけながらドライヤーをかけることで、猫の恐怖心をなるべく取り除いてあげましょう。音が嫌いな子には、ペット用のドライヤー(音が小さい)が市販されていますので、それを使用すると良いでしょう。

    暴れることが想定される場合には、2人がかりで、1人は抑えて1人がドライヤーをかけるという方法や、洗濯ネットに入れるなどの方法もあります。

ポイント

ドライヤー猫を乾かす際はドライヤーを使い、完全に乾かすのが良いと獣医師の見解があります。
冬は身体が冷えてしまうと風邪やその他の病気を誘発する可能性がありますし、夏は生乾き状態でいると細菌等が繁殖することが理由です。

おわりに

猫は基本的にお風呂に入れる必要はありません。猫をお風呂に入れる時は、見た目の汚れ等の人間目線で必要と考えられることが多いように思われます。
最近ではお風呂慣れをしている猫もいるようですが、そうではない猫にとっては水はやはり恐怖を感じる対象であることに違いありません。

健康な猫の場合、年に0回のお風呂でも全く問題のない場合もあります。それでも入れたいと思われた際には、以下のポイントを抑えて入れるようにしてあげてくださいね。

猫をお風呂に入れるときの5か条

  • 短時間で済ませる
  • シャワーなどの音はなるべく小さく
  • 顔と耳に水はかけない
  • 目に水が入らないように注意する
  • ドライヤーで完全に乾かす

以上を参考に、猫の気持ちを最優先にした衛生管理をしてあげましょう。

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