コラム

身近なペットの介護問題

この記事は2017年3月27日の記事を再編集しました。

近年ペットの平均寿命は飛躍的に延びています。長生きしてくれるのは喜ばしいことですが、その反面、高齢(シニア)ならではのペットのケガや病気による介護が必要になることも増え、高齢者がペットを介護する「老々介護」も増えています。

今回は、実は身近なペットの介護問題についてまとめました。

身近なペットの介護問題

ペットはいつからが高齢?

老犬平成2年、東京農工大と日本小動物獣医師会が行った調査によると、ペットとして飼育されている犬猫の平均寿命はそれぞれ、8.6歳と5.1歳でした。
そして平成28年9月に発表された(調査実施年は平成26年)最新調査では、犬が13.2歳、猫は11.9歳という結果になりました。

このように、以前の結果と比べると平均寿命は犬は1.5倍、猫は2.3倍にも延びていることが分かります。ペットは10歳くらいになると高齢と言われることが多いですが、こうしてみるとあまりピンと来ないのではないでしょうか。

そこで犬と猫の年齢を人間に換算すると、どのくらいの年齢になるのかを調べてみました。

ペットの年齢⇒人間の年齢に換算した場合、犬/猫

  • 6歳 ⇒ 41~42歳/40歳
  • 7歳 ⇒ 45~46歳/44歳
  • 10歳 ⇒ 56~60歳/56歳
  • 11歳 ⇒ 63~64歳/60歳
  • 12歳 ⇒ 68~69歳/64歳
  • 13歳 ⇒ 71~73歳/68歳
  • 14歳 ⇒ 77~78歳/72歳
  • 15歳 ⇒ 80~82歳/76歳
  • 16歳 ⇒ 85~87歳/80歳
  • 17歳 ⇒ 89~91歳/84歳
  • 18歳 ⇒ 93~96歳/88歳
  • 19歳 ⇒ 98~100歳/92歳
  • 20歳 ⇒ 100~105歳/96歳

※犬の場合は、犬種や大きさなどにより換算寿命が異なります。

実際に老化が気になりだす年齢でもある「高齢」というのは、何歳くらいからとされているのでしょうか。

環境省が平成27年に発行したパンフレットによると、犬は7歳前後、猫は10歳前後から高齢期とされており、介護が必要になり始める頃とされています。

人間の年齢で換算してみると、まだ高齢というには早いように感じますが、ペットの老化は人間よりも少し早く表れると思っておくほうが間違いないでしょう。

高齢ペットのケガや病気

高齢ペットと言われても見た目で大きな変化がないため、実感が湧かないと思います。
しかし、よく見てみると白髪が増えてきたり、以前よりもおとなしくしている時間が増えたりと、年を取ったと感じるようなことがあると思います。

ペットの高齢化によって起こるケガや病気は、人間の高齢者のケガや病気の内容とあまり変わりはありません。

筋肉が衰えてくる、骨が弱くなってきたりすることから骨折や骨の変形、関節炎を起こしやすくなります。また高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や、目の病気でもある白内障や緑内障、がんや心臓病、腎不全など、様々な病気になる可能性があります。
そして、最近ではペットも認知症を発症することが知られるようになってきました。

高齢ペットのケガや病気は、生活環境や食べ物、ストレスを溜めさせないなど、改善することである程度予防することも可能です。

介護が必要となるケガや病気からペットを守るためにも、高齢ペットに適した生活環境を作ることを意識していきましょう。

ペット介護の問題

ペットのために生活環境を改善しても、老化には勝てないこともあります。
いざ介護が必要となった際、これまでの生活はどのように変化してしまうのでしょうか。
どういった時に介護が必要となるのか、例を見てみましょう。

  • 自力では歩けなくなる
  • 自力で排泄ができなくなる
  • 自力で食事ができなくなる
  • 認知症の症状が出て、徘徊や粗相をしてしまう
  • 時間ごとに投薬の必要がある

後足車いす犬自力で歩くことができない場合、そのまま足を動かさないと筋肉がどんどん衰えてしまい、床ずれをする心配があります。そのため、歩行困難となった際には、補助器具を付け散歩をさせたり、マッサージをして筋肉が衰えないようにすることが大切です。同時に排泄や食事の補助も必要となるでしょう。

認知量の場合は、飼い主の留守中に部屋の中を徘徊し、大ケガをしてしまったという例や、夜中の無駄吠えによる近隣からの苦情、どこでも排泄してしまうためにおしめを着用させたが、取り替えるときに暴れてしまい飼い主がケガをしてしまったなど、様々な例があります。

飼い主さんが一人暮らしの場合は、他に介護ができる家族がいないために、転職や退職を余儀なくされた、飼い主自身も高齢で病気を抱えており、介護自体が苦痛となり自殺を考えてしまったという深刻なものもあります。

介護自体は病気やケガを負っているわけではないために、病院へ入院させることができません。また、要介護のペットを預かってくれるペットホテルも少ないので、飼い主自身の気が休まる時間が作れないということも多いのです。

ペット介護の代行サービス

ペット介護の悩みが多くなってきた近年、介護代行サービスを提供する施設も増えてきました。大きく2つに分かれます。

  • 終生介護・・・老犬・老猫ホーム
  • 一時的介護・・・老犬・老猫ホームの一時預かり、一部のペットホテル、ペットシッターなど

終生介護というのは、人間でいうところの老人ホームにあたる施設です。ペットのお世話を終生にわたり、すべて任せる形になるので、介護が必要でない場合でも費用は100万円以上が平均となっています。介護が必要となる場合は、これにプラスした費用が加算されます。

一時的介護は、一時的に介護をすることができないときに預けることができる施設です。終生介護をしてくれる老犬・老猫ホームでも一時預かりを実施しているところがあります。

また、まだ数は少ないですが、介護OKなペットホテルも増えてきています。介護をする際には、獣医師や看護師、トリマーなどのケアが必要になることもあるので、動物病院に併設されたペットホテルで提供されていることが多いようです。

ペットと離れたくない、留守の時だけ見てもらいたいという場合はペットシッターという選択もあります。
ペットシッターは自宅まで来てくれるので、ペットにとっても環境が変わることがなく、ストレスが少ない方法です。しかし、ペットシッター個人の技量や、ペットその相性も関係してくるので、飼い主さんがそこを見極める必要があります。

おわりに

迎えたときは幼かったペットも必ず歳を取ります。そして高齢化することによって、介護が必要になるリスクが高まってきているのも事実です。しかし、介護が必要になることは、ある日突然やってくるというよりも、何かしら予兆があることが多いです。

たとえば、ストレスが多い環境で元気がない、攻撃的になった、寝ていることが多い、排泄回数や量、色形がいつもと違う、足を引きずっているように見える、同じところをぐるぐる回っていることが多いなど。

このような予兆を見逃さず、すぐに環境を改善する、獣医師へ相談をするなど、早めの対応をすることで重症化せず、高齢になってからも健康でいることができるペットも多くいます。

動物病院そのためには医療費などを気にすることなく、すぐに動物病院へ行くことができる体制にしておくことが大切です。たとえば、ペット保険で備えておくと、治療にかかった実費の何割かを補償してくれます。
また、事故などで車いすが必要となった際、その購入費用の一部を補償してくれる特約を用意しているペット保険もあります。

いざという時のために備えておくのがペット保険ですので、将来のことを考え検討することもおすすめです。
身近になってきているペットの介護について、自分のこととして考える時間をぜひ作ってみてください。

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