コラム

身近なペットの介護問題

ペットの平均寿命は、平成に入ってから飛躍的に延びました。喜ばしい反面、高齢(シニア)ならではのケガや病気によって介護が必要になることも多くなり、高齢者がペットを介護する「老々介護」も増えています。

今回は、実は身近なペットの介護問題についてのお話です。

身近なペットの介護問題

ペットはいつからが高齢?

約25年前の平成2年、東京農工大と日本小動物獣医師会が行った調査では、ペットとして飼育されている犬・猫の平均寿命はそれぞれ8.6歳と5.1歳でした。
そして、平成28年9月に発表された(調査実施年は平成26年)最新調査では、犬が13.2歳、猫は11.9歳という結果になりました。

平成2年と比べると、平均寿命は犬で1.5倍、猫は2.3倍も延びていることになります。しかし、10歳ちょっとで高齢と言われてもいまいちピンと来ないですよね?
そこで犬猫の年齢を人間に菅さんするとどのように変化するのかを調べてみました。

人間の年齢 ⇒ 犬の年齢に換算/猫の年齢に換算

  • 6歳 ⇒ 41~42歳/40歳
  • 7歳 ⇒ 45~46歳/44歳
  • 10歳 ⇒ 56~60歳/56歳
  • 11歳 ⇒ 63~64歳/60歳
  • 12歳 ⇒ 68~69歳/64歳
  • 13歳 ⇒ 71~73歳/68歳
  • 14歳 ⇒ 77~78歳/72歳
  • 15歳 ⇒ 80~82歳/76歳
  • 16歳 ⇒ 85~87歳/80歳
  • 17歳 ⇒ 89~91歳/84歳
  • 18歳 ⇒ 93~96歳/88歳
  • 19歳 ⇒ 98~100歳/92歳
  • 20歳 ⇒ 100~105歳/96歳

※犬の場合は、犬種や大きさなどにより換算寿命が異なります。

では、実際に老化が気になりだす年齢は何歳くらいからなのでしょうか?

環境省が平成27年に発行したパンフレットによると、犬は7歳前後、猫は10歳前後からが高齢期とされ、介護が必要になる場合もあると書かれていました。

人間の年齢で換算すると、まだ高齢とは言えない年齢ですが、ペットの老化は人間よりも少し早く表れると思ったほうが間違いないでしょう。

高齢ペットのケガや病気

高齢ペットと言われても、見た目ではまだまだ可愛い盛りに見えるペットたちですが、白髪が増えたり、以前より大人しくしていることが増えたりと、よく注意してみるとやはり年を取ったと感じることが多いのではないでしょうか。

実はペットの高齢化によるケガや病気も、人間の高齢者のケガや病気の内容とあまり変わりはありません。

筋肉が衰えたり骨が弱くなったりすることによる、骨折や骨の変形、関節炎、人間でいうところの生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)、目の病気である白内障や緑内障、ガンや心臓病、腎不全、その他様々です。
そして、最近ではペットも認知症を発症することが知られるようになってきました。

高齢ペットのケガや病気は、飼育環境や食べ物、ストレスの程度などを改善することで、ある程度の予防をすることができます。
介護につながるケガや病気からペットを守るためにも、高齢ペットに適した環境を作ってあげることを意識してみてくださいね。

ペット介護の問題

ペットのために良い環境を作ってきたとしても、老化には勝てないこともあります。いざ、介護が必要となったとき、生活はどのように変化してしまうのでしょうか。

介護が必要になる例を見てみましょう。以下のようなことが考えられます。

  • 自力では歩けなくなる
  • 自力で排泄できなくなる
  • 自力で食事ができなくなる
  • 認知症の症状が出て、徘徊したり粗相したりする
  • 時間ごとに投薬の必要がある

自力で歩けなくなった時、そのまま動かさないでいると筋肉はどんどん衰えますし、床ずれの心配もあります。
そのため、補助器具を付けて散歩をさせたり、マッサージをして筋肉が衰えないようにする必要があります。排泄や食事の補助も必要になるでしょう。

認知症の場合は、「飼い主さんが仕事で留守にしている間に、部屋の中を徘徊し、大ケガをしていた」という例や、「夜中に吠え続けるので、近隣からの苦情が来て悩んでいる」「どこでも排泄をしてしまうために”おしめ”をしたら、取り替えるときに暴れられて飼い主がケガをした」という例などを聞いたことがあります。

中には、一人暮らしだったり、介護のできる家族がいなかったりしたために、転職や退職を余儀なくされたという例や、飼い主さん自身も高齢で、病気を抱えている中の介護が苦痛になり、自殺を考えてしまったという例など、深刻なものもありました。

介護自体は病気やケガの治療ではないために、病院へ入院させるわけにはいかず、要介護のペットを預かってくれるペットホテルも少ないため、飼い主さんの気の休まる時間が作れないという例も多いのです。

ペット介護の代行をしてくれるサービス

ペット介護の悩みが多く取りざたされるようになってきた近年、介護を代行してくれるサービスを提供する施設なども増えてきました。

大きくは2つに分かれます。

  • 終生介護 … 老犬・老猫ホーム
  • 一時的介護 … 老犬・老猫ホームの一時預かり、一部のペットホテル、ペットシッター等

終生介護は、人間で言う老人ホームにあたる施設に、ペットを入所させる形になります。ペットのお世話を終生に渡りすべて任せる形になるので、費用は介護が必要でない場合でも100万円以上が平均となっており、介護が必要な場合にはそれにプラスした料金が加算されることになります。

一時的介護は、一時的に介護ができないときに預ける施設となります。終生介護をしてくれる老犬・老猫ホームでも一時預かりをしてくれることがあります。

また、まだまだ数は少ないですが、介護OKのペットホテルも出てきました。介護には獣医師や看護師、トリマーなどのケアが必要になることもあるため、動物病院に併設されたペットホテルで提供されることが多いようです。

ペットと離れ離れになりたくない、留守の時だけ見てもらいたいという場合は、ペットシッターという選択もあります。
ペットシッターは家まで来てくれるので、ペットにとっても環境が変わることなく介護を受けらるため、ストレスの少ない方法でもあります。しかし、ペットシッター個人の技量や、ペットとの相性なども関係してきますので、飼い主さんが見極める必要があります。

おわりに

飼い始めたときには幼かったペットも、必ず歳を取ります。寿命が長くなったことで、介護が必要になるリスクも高まりました。しかし、介護が必要になるまでには、何らかの予兆があることが多いです。

たとえば、ストレスの多い環境で元気がなかったり、反対に攻撃的になったりしている、最近寝てじっとしていることが多い、排泄の回数や量・排泄物の色形がいつもと違う、足を引きずっているように見える、同じところをぐるぐる回っていることが多い…など。

こういった予兆を見逃すことなく、すぐに環境を改善する、獣医師に診てもらうなど、早め早めの対応をすることで重症にならず、高齢になっても健康でいられるペットも数多くいます。

もちろん、そのためには医療費などを気にすることなく、すぐに動物病院にいけるような体制を取っておくことが大切です。たとえば、ペット保険では治療にかかった実費を最高100%まで補償してくれるものもあります。

また、事故などで車イスが必要になった場合に、その購入費用が対象になるペット保険等も出てきました。いざという時のために、ペット保険で備えることを検討するのもおすすめです。

愛する家族の一員であるペットを守れるのは、飼い主さんだけです。
身近になってきた介護問題についても、自分のこととして考える時間をぜひ作ってみてください。

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