コラム

猫の乳腺腫瘍が、ほぼ乳がんというのは本当?

この記事は2017年3月24日の記事を再編集しました。

人間も胸にしこりがあると感じた時に、乳がんの可能性があると思い検査をしますね?猫が同じ状態だった場合は、どうでしょう。

今回は猫の乳腺腫瘍と乳がんについてご紹介します。

猫の乳腺腫瘍が、ほぼ乳がんというのは本当?

乳腺腫瘍と乳ガン

お腹を何気なく触ったときに、乳首の周り(乳腺)にしこりを感じたら、それは乳腺腫瘍の可能性があります。
はじめは何だろう?と思うくらいの程度ですが、しこりが大きくなってくると見た目でもしこりがあることが分かるようになります。

猫の乳首は、母乳を与えるために左右に4つずつ、全部で8つあります。この中の頭に最も近い部分にある2つの乳首と、尻尾に近い2つの乳首のどれかにしこりが発見されるケースが多いのが特徴的です。

腫瘍は「良性」と「悪性」のものがあり、悪性腫瘍はいわゆる「がん」のことをいい、猫の場合、胸にみられる腫瘍が乳がんである確率は80~90%とも言われています。つまり、乳腺腫瘍と診断された場合は、乳がんであると思ってほぼ間違いないのです。

乳腺腫瘍が進行するとどうなるのか

しこりは時間の経過と共にどんどん大きくなっていきます。結果的に大きくなりすぎたしこりは「自壊(もしくは自潰)」することになります。
自壊とは、文字通り「自ら壊れる」という意味で、しこり部分が破壊してしまい、中から血や膿などが悪臭を伴って出てきます。

しこりを発見していたものの、様子をみていたら一カ月ほどで自壊してしまい、慌てて病院を受診した、という例もあります。

しかし、このしこりが悪性腫瘍だった場合、乳がんが進行してしまっており、時には体内で転移してしまっている可能性もあります。また、血液循環障害が起こり、太もも部分が腫れてきたり、腹水が溜まってきたり、貧血を起こすこともあります。

乳がんだった場合は、がんが肺へ転移することが多く、肺に転移した場合は、呼吸をすることが苦しくなり、猫にとっても苦痛を伴います。

動物病院猫のしこりは、見た目で判断できるくらい大きくなってから、「できものが大きくなってきたから、病院へ行こう」と軽くとらえられるケースが多いようですが、しこりを発見した場合には1日でも早く動物病院を受診するようにしましょう。

乳腺腫瘍になる猫はどんな猫?

乳腺腫瘍は、そのほとんどが乳腺が発達しているメス猫にみられます。そして、避妊手術をしていない場合、避妊手術をしている猫と比べると約7倍もその危険性が高くなると言われています。
猫のエコー検査
こうした背景から、乳腺腫瘍には女性ホルモンが深く関係していると考えられています。しかし、猫に関してはまだ解明されていないのが現状です。

また、シャム猫は他の猫種と比べると、乳腺腫瘍になる確率が約2倍高いと言われています。これに関しても現段階では解明されておりません。

乳腺腫瘍の治療法

もし乳腺腫瘍が見つかった場合、たとえその腫瘍が良性のものであったとしても外科手術によって腫瘍を取り除くことが一般的です。
悪性腫瘍であるかどうかは、取り除いた腫瘍を検査して判断します。

再発を防ぐために、腫瘍の部分だけではなく、広範囲にわたって乳腺を取り除く手術を行うこともあります。この場合は、乳腺の片側全て、もしくは全摘出をすることもあります。全摘出の場合は、縫合の関係から一度で手術を行うことが出来ず、二度に分けて手術を行うこととなります。

他に腫瘍に直接放射線を照射し、腫瘍を縮小させたり、成長を遅らせたりする「放射線治療」や、薬を使う化学療法もあります。
しかし、どちらの方法も外科手術よりは早期効果が見込めないため、外科手術後の補助的な役割として機能しているのが現状です。

予防と発見方法

予防方法

乳腺腫瘍の予防方法として、一番効果があるのは、なるべく早い時期に避妊手術を行っておくことです。猫の避妊手術は、生後5ヵ月になる前にするのが良いとISFM(国際猫医療学会)で推奨されています。

猫に対する避妊手術を反対する方もいると思いますが、この手術を行うことで乳腺腫瘍になる確率を大幅に抑えることが出来るのは事実です。避妊手術は乳腺腫瘍のみならず、その他の生殖器系の病気の予防にもつながるメリットがあります。

また、病気以外のメリットとして、発情期のスプレー行為(尿をスプレーのようにまき散らす行為)がなくなったり、性衝動(性欲)によるストレスからくる攻撃性も抑えることができ、穏やかな猫になることが多いと報告されています。

発見方法

乳腺腫瘍はしこりという形で飼い主が発見することが可能な病気です。そのため、猫へのマッサージを日課で行うことが一番でしょう。猫の全身をマッサージする中で、乳首周りもやさしくマッサージしてあげましょう。
成猫となってからだと腹部などのマッサージを嫌がる可能性があるので、子猫のうちからマッサージに慣らしてあげると良いでしょう。

しこりを発見した場合は、むやみに触らないようにし、獣医へ見せるようにしましょう。万一、このしこりが悪性腫瘍だった場合、しこりを触り続けることでがん細胞が広がってしまう可能性もあるので注意が必要です。

おわりに

乳腺腫瘍と診断されたそのほとんどが乳がんであるということを知って衝撃を感じた方もいるかもしれません。しかし、100%乳がんということではありませんし、早期発見、早期治療ができれば猫の命を延ばすこともできます。

日常のスキンシップを怠ることなく、万一の時に早期発見ができるように努めましょう。

ペット保険を探そう!
  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • Google+でシェア
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加