コラム

動物保護、わたしたちにできること

日本の動物殺処分の話題がニュースで取り上げられ、大きな注目を浴びるようになったのは、実はまだ10年程のことです。

それまでは年間数十万頭もの犬や猫が、日々悲しい結末を迎えていました。日本でペットブームが最高潮に盛り上がっていたころは、年間のペット販売数よりも殺処分の頭数が上回るという異常事態も起きていたほどです。

ここ数年、「殺処分ゼロ」を目標として掲げ、達成している自治体や専門施設を建設した自治体の話題が注目を集めています。しかし、それでもまだまだ保護活動は民間ボランティアの手に委ねられているのが現状です。

動物保護、わたしたちにできること

様々なボランティアの形がある

ペットの殺処分の現状に心を痛めている方は非常に多いことでしょう。しかし、そういった方の中で多く聞かれる声は、以下のようなものがあります。

  • すでにペットを飼っているので、里親になるのが難しい
  • 金銭的な支援が難しい
  • 住宅事情でペットを飼うことができない、引き取れない
  • どの団体へ寄付したら良いのか、何ができるのかが分からない

このような声が出る反面、多くの動物保護団体は人手不足に困っています。

動物保護団体の支援と聞くと、「寄付」などの経済的支援を思い浮かべるものではないでしょうか?しかし、実際にはその他にも様々な形での支援が必要とされています。

  • 保護されている犬の散歩をして欲しい
  • 保護されている犬猫のシャンプーやお手入れを手伝って欲しい
  • 施設の清掃や修繕などの手伝いをして欲しい
  • 餌の配膳、食後の片付けをして欲しい
  • 里親会開催情報の告知活動を手伝って欲しい
  • ホームページやチラシの作成を手伝って欲しい
  • 写真を撮影し、WEBサイトにアップして欲しい
  • イベント内容の告知などを行って欲しい
  • イベント開催時に車両の提供をして欲しい

上記は一例ですが、こういった支援が必要とされています。

また、専門知識がある方には、保護期間中のしつけの手伝いや、里親になってくれた方へのしつけのアドバイスをするなどの支援も求められています。

求められている支援には様々な内容のものがあります。毎日30分~1時間程で終わる作業や、週1回からというものもあり、ペットを引き取ることが難しくても、様々な形で協力をすることができます。

不要になったペット用品はぜひ寄付を…

行政が運営をしている動物保護施設や保健所も、決して保護動物に十分な予算の確保ができているわけではありません。収容された動物に新たな飼い主を探すには、数ヵ月~1年とかかることもあります。その間の人件費や餌代の捻出さえ厳しいものです。

そのため、「用品」の購入に十分な予算をあてがえず、不便も生じています。
たとえば、以下のようなものが常に不足しています。

  • リードや首輪
  • トイレトレー
  • トイレシーツ
  • サークルやケージ
  • 毛布やバスタオル

しかしその反面、家庭内には、子犬の時に使っていたサークルや用品、トイレが屋外になったので不要となったトイレトレー、購入したまま使わなかった用品、ペットが亡くなってしまい不要になった用品などもあるでしょう。購入したものの、未開封のままになっているドッグフードがあるということもあるでしょう。

このような用品は捨ててしまう前に、ぜひ自治体の保護施設や保護団体へ声を掛けてみてください

ある動物保護施設では、ドライヤーや掃除機、洗濯機などの中古家電の寄付を募っていたこともあります。施設の修繕のために木材や工具を募集している団体もあります。

ユニークな募集では、「ペットフードの空き袋」を募集していることもありました。10kgや15kgサイズのドッグフードの空き袋は、とても丈夫な素材でできている上に、水分を通りにくいようにコーディングされているので、施設内のゴミを収集する際の空き袋として活用できるそうです。

春や秋など、子犬や子猫の出産が相次ぐ時期は、バスタオルや毛布を必要としている団体も多くあります。

このように家庭にある不用品や中古品を寄付することで出来る支援活動もあることを是非覚えておいてください。

不足しているのは活動資金

保護団体の多くが「資金不足」を訴える背景には、嵩む「医療費」の問題があります。保護活動自体は、ボランティアや寄付で賄われている場合でも、医療費だけは現金支出となるためです。
野良猫にエサ
家庭で飼育されているペットの場合、ペット保険に加入していれば補償があるので、病院での治療を受けることができることがあります。しかし、一時的に保護されているペットは、保険の補償はもちろんありません。また、保護された時点でケガや病気を抱えていることも多く、新しい飼い主へ手渡す前に医療的な処置が必要となります。

自治体で運営する施設も同様です。日々の人件費、餌代、消耗品の購入と嵩む経費の中で、医療に十分な予算をかけることが難しいのです。

ケガや病気は自然治癒することを目指し、里親候補者へは現状を説明した上で検討してもらい、了承されれば引き取ってもらうようになっています。医療的な処置は施設では行うことなく、里親の判断で引き取ってもらうことが一般的なのです。

しかし、医療費の寄付といっても、なかなか簡単なことではありません。そのための取り組みとして、以下のような方法が取られていることもあります。

  • フリーマーケットを開催し、売上金を寄付する
  • 小売店やサービス店の場合、募金箱を設置して寄付を呼び掛ける
  • ショッピングセンターの行う支援団体へ登録し、寄付を呼び掛ける

あるショッピングセンターでは、お客さんが購入したレシートを専用箱へ投函するだけで、売上の一部を指名団体へ寄付する取り組みも行っています。

おわりに

ボランティアという言葉を聞くと、自分にできるのだろうか?と不安になり躊躇してしまうこともあると思います。

今回紹介した活動へ参加することも、保護団体メンバーだけではなかなか手が回らないものでもあります。いきなり保護犬や保護猫を引き取るという形だけでなく、小さいことからでもできる範囲で応援をすることはできるので、何かできることがあればぜひ参加してみてください。

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